調停離婚・裁判離婚

名古屋が中心の経済人・文化人の調停管轄

 

同時点で調停の申立てがあった場合や経済的拠点が名古屋にあるが生活拠点が東京にある場合についての管轄の判断

 

名古屋家裁平成28年11月1日

 

第1 事案の概要

 本件は、夫婦が離婚調停を提起したものの、同日に別裁判所に申し立てためずらしい事例であることから、いずれの裁判所が相当であるか裁判が行われたものである。妻は名古屋には経済的拠点しかない、住民票が便宜的なものと主張、夫は自分は関東地方の地方にある実家には住んでおらず、東京都内のホテルを拠点にしていると抗弁した。

 

第2 判旨

 ここで、「住所」とは、生活の本拠、すなわち、その者の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指すものであると解され、一定の場所がある者の住所であるか否かは、客観的に生活の本拠たる実態を具備しているか否かにより決するべきである、と平成23年の最高裁を引用し、滞在日数、住居、職業、生計を一にする親族の居所、資産の所在、居住の意思等を総合的に考慮するのが相当である。

 本件についてみると、妻は(名古屋に経済的拠点があると認められるが)10年以上の長期間にわたり、自己が共有持分を有する本件自宅において生活していた上、妻は職業人としても、平日は東京で生活しており、住民票上の住所が名古屋市内にあったとしても、せいぜい週末の期間に戻るにすぎない、こどもも東京に住んでいることに照らすと、生活の本拠は東京にあると認められる。前記認定のとおり関東の地方の家庭裁判所で認められる特段の必要性も認められない。

 よって、主文のとおり決定する。

第3 解説

 名古屋で著名な経済人であっても、住所が東京が拠点になるというのは、やや地元市民の感情からは違和感があるというべきであろう。週末に帰ってきており、経済的拠点としての職業の評価が十分とは到底いえないので判旨には反対である。調停前に名古屋市の法務省認定紛争解決の仲裁機関で仲裁をしていた趣旨にも明示に反するうえ、就業場所送達の趣旨にも反することになろう。

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