調停離婚・裁判離婚

離婚などの家事事件手続法(家事法)が変わりました。では新しい制度はどのような変更でどのように運用されるのでしょうか。

家事法は、それまでの家事審判法及び家事審判法規則に代わり、家事裁判所での調停手続きと審判手続きの基本を定めた法律です。 【1】調停及び審判の対象となる事件   家庭裁判所は家事法の「別表第1及び別表第2に掲げる事項」について審判を行います。   別表第1事件とは、成年後見人選任、養子縁組許可、失踪宣告、氏名変更許可など公益的に判断がなされる事件です。   別表第2事件とは、婚姻費用分担請求、面会交流請求、遺産分割など対立する当事者間で争われる事件です。   別表第1事件については、当事者間の話し合いによる解決があり得ないため調停はできません。   対して、別表第2事件は当事者間の話し合いによる自主的な解決が期待できることから、審判に先立ち家事調停が申し立てられるのが一般です。家事調停が不成立になると、審判手続きに移行します。   また、家庭裁判所は人事に関する訴訟事件(離婚や離縁など)その他家庭に関する事件について家事調停を行うことができます。 【2】手続き改正のポイント   別表第1、第2事件は旧法である家事審判法の甲類事件、乙類事件に対応しています。調停及び審判の対象となる事件の種類や、調停及び審判手続の基本的な枠組みに旧法と大きな変わりはありません。   ただし、旧法の時代に比べて現代は、当事者の権利意識や主体性が高まり、手続の利便性の向上が求められています。家事法では、それらの時代にニーズに応じて、これまでの家事手続の一部を改められました。   その大きな柱は3つあります。  (1)手続の透明性を図ること     当事者が主体的に手続きに向き合い、手続に納得するには、裁判所の手続きがどのように進行し、裁判所が何に基づいて判断するのかを理解することが重要です。     そこで、当事者がお互いの提出資料が主張などの情報を共有し、手続の透明性を確保するための手続きが規定されました。     ① 提出資料等の共有      調停及び審判の申立書は、原則として相手方に送付されます。      また、家庭裁判所は、審判の資料として事実の調査を行った場合その旨を当事者に対して通知します。      当事者が審判の事実の調査の対象となった記録の閲覧・謄写の請求をした場合、審判の場合には原則許可されます。ただし、当事者や第三者の私生活や業務の平穏を害するおそれがある場合等、許可すべきでない特別の事情があるときに限り、裁判所はこれを許可しないことができます。      これに対し、調停の場合には、記録の閲覧・謄写請求は裁判所が相当であると認める時に許可されることになっています。      ただし、婚姻費用・養育費・財産分与・年金分割などは、収入や財産に関する資料に基づいて話し合いを進めていくことが適正かつ迅速な紛争解決のために必要であるため、当事者から裁判所へ資料や主張書面を提出する際に、他方当事者交付用の写しも提出するよう裁判所から求められる場合があります。     ② 双方立会手続説明      家庭裁判所では、調停の際に「双方立会手続説明」(同席説明)が実施されます。      当事者が共通理解を持つための運用ですが、当事者双方の立合いは強制ではありません。      調停期日の開始時及び終了時に調停委員が説明を行います。手続きの説明、当日議論された内容、他方当事者の言い分、双方の対立点、調停委員の認識・見解・次回期日までの双方の検討課題、進行予定等の説明を行います。  (2)手続の利便性を図ること。     ① 電話会議システムの利用      当事者の一方または双方が遠隔地に居住しているなど相当の理由があり、裁判所の審判期日及び調停期日の出頭が難しい場合は、電話会議やテレビ会議の方法によって審判及び調停手続きを実施することができます。      電話会議等の方法による調停を希望する場合は、申立時または期日に申出を行い、調停委員がその当否を判断します。      忙しくて出頭が難しい、相手と顔を合わせたくないなどの理由は電話会議等の実施は認められません。      また、電話の場合、本人確認が困難であり裁判所が認めない第三者の臨席や、やり取りが録音される危険性があるため、携帯電話や自宅の固定電話の利用は認められず、手続代理人の弁護士事務所か、最寄りの家庭裁判所の電話から行います。      ただし、離婚・離縁については、電話会議等によって調停を成立させることはできません。離婚・離縁の合意ができていても、調停が成立する際には当事者双方が裁判所の期日に出頭している必要があります。又は、調停に代わる審判で離婚・離縁をすることになります。      審判手続きにおいても同様に、当事者の申出に基づいて、裁判所が電話会議等の当否を判断します。     ② 「調停に代わる審判」の対象の拡大      「調停に代わる審判」とは、当事者間に実質的な合意がある場合、合意はないが当事者に一定の結論を受け入れる下地がある場合に、調停を不成立として家事審判手続に入るのではなく、調停裁判が一切の事情を考慮して事件の解決のために妥当と考える審判をすることができるというものです。      旧法では「調停に代わる審判」ができるのは離婚・離縁に限られていました。家事法においてその範囲は養育費、婚姻費用等の別表第2事件まで拡大しました。      これにより、審判という形を取りながら、紛争の簡易迅速な解決、円満解決を目指す道がひろがりました。  (3)子どもの意思を反映させること     家事法では、家庭裁判所は、未成年者である子がその結果により影響を受ける家事事件においては、子の陳述聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の方法により、子の意思を把握するよう努め、子の年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮しなければならないとしています。     また、子の監護に関する処分、親権者指定・変更、未成年後見など、特定の家事審判をする場合においては、子(15歳以上の子に限る)の陳述を聴取しなければならないことも定められています。     更に、家事事件の結果により影響を受ける子の福祉に配慮するため、子供に一定の場合に手続行為能力を認め、子を利害関係参加人として手続行為を可能としています。

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