離婚の手続き・流れ

アイスランドに甥っ子と行く旅―「今夜、僕は夫婦と離婚した」という課題図書を抱え

アイスランドに行った友人から良かったよ、といわれアイスランド行きを決めた。甥っ子のシュシュを連れていくとき、「バカンスどこにする」と普通にラインが入る。ハンガリーと迷っていたが東欧には少しハードルの高さを感じていた。なので、アイスランドを中心に選ぶことにした。ただ、僕等はレイキャビクから離れることは難しいので、地元でガイドをチャーターすることにした。

ところで、僕等は毎年、パリを拠点に、近郊の街に行くことが多いのだが、今年は、フランスで4月から大規模ストが発生しているので、国鉄の利用者は気を付けてください、という警告が出ていた。

そんなわけで、今年は、労働者の祭典である「メーデー」は過激なものになるのではないか、と予想して、フランス近郊を廻るのは止めてレイキャビクを拠点にアイスランドを見ることにした。そして、メーデーは、コペンハーゲンで過ごすことにした。

 朝、コペンハーゲンのホテルで朝食をシュシュと食べていると、日本メディアからのTOKIO関連のニュースが大勢を占める中、CNNからフランスで「大規模デモが暴徒化、100人が拘束」というBREAKINGNEWS(臨時ニュース)が流れてきた。なんとなく、案の定という感じだ。2年ほど前だっただろうか。メーデーでデモ隊がこちらに来るので、タクシードライバーから、「サー、私は、遠くに逃げたいので、ここで降りてもらえないか。あなたも公園を隔てた反対側に逃れれば大丈夫だ。外国人は狙われるので、マフラーで髪の毛を隠して」といって、デモ隊から逃げたことがあった。もちろん、労働者の権利だし、それを行使することを否定しているわけではない。でも、一糸乱れぬ形で、フランス国歌を歌いながら行進する姿はさながら「ミゼラブル」を想起させるものであった。メーデーは主要な施設もフランスはお休みであるので、メーデーが日本と同様、あまり関係ない、レイキャビクとコペンハーゲンで過ごすことにしたのだった。

 

レイキャビクに向かう飛行機。「アップルジュースが欲しい」というシュシュ。CAは「ありませんが、ブルーベリージュースならあります。」と。ブルーベリーが獲れるのかな、と思いつつ、飛行機はレイキャビクへ。アイスランドには鉄道などはない。北海道と四国をプラスした面積の島のアイスランドは、第二次世界大戦に巻き込まれた歴史がない、「軍隊を持たない国家」だ。アイスランドは、それなりに広い国土を持ちながら人口はレイキャビク周辺に集中している「都市国家」だ。それなりに知識層が多く王室制度も国民投票の末廃止され共和制に移行し、現在は象徴の大統領がいる。それでいて風景は札幌ではない、北海道を連想させるといったらいいだろうか。いわく自称世界一「本屋さん」が多い街らしい。多くの人は、冬は読書をしながら過ごすことが習慣になっているのだという。なんといっても「物価」が高い。シュシュが気軽におねだりするコーラは日本円にすると500円近い。日本なら、500円くらいのお弁当も1500円くらいする。普通なのはタクシー料金くらいだろうか。デンマークの友人いわく、これでもましになった方らしい。

 

そんなアイスランドには鉄道も地下鉄もない。バスはほぼ寡占のレイキャビク・エクスクルージョンが運行するバスくらいだ。このバスは市街地のはずれにあるバスターミナルをハブにしていて、いわゆるハブ・アンド・スポークの方式で乗り換えて行くのだが、分かりにくい。バスターミナルまでは簡単に行けるがここから「何か」があるわけではない。ヒルトンに到着したのも「やっとのこさ」、という感じだ。「やっとのこさ」でふたりともギブアップ。このバスターミナル、連日お世話になることになるとは知る由もなく。「北海道に似てるね」とシュシュ。シュシュを連れて行ったことのある北海道とは道東のこと。釧路や網走などで、シュシュが知る北海道は煌びやかな札幌の都市ではない。なんとなく「おおぞら」に飛び乗った釧路への旅を思い出しているのかもしれない。「でもパリをもっと陰鬱にした感じだね(笑)、スペインや南仏のラテンの感じはしないし」とシュシュ。アイスランドは、スカンジナビア文化の影響を受けているようでそうではない独自の文化も有し、米軍の駐留によりアメリカナイズもされているが、都市国家であるように狩猟のイメージは少ないところが北海道との違いだろうか。

 

翌朝は早朝から、レイキャビクの東側をめぐるガイドをチャーター。ガイドさんいわく「今日は長い一日になるわよ」。レッツゴー、「青の自然めぐり」に。いくつか滝がある場所をめぐり、近くで風が吹いてずぶ濡れに。シュシュ、滝の前で手を水平にするフィギュアの羽生くんのような仕草でパシャ。イヤホンを失くして、滝の霧が舞う地面を探して見つけ出す。「よかった。絶対みつからないよ、普通」。なんでもポジティブに変換されるシュシュ。こんな体験久しぶりかもと笑う。もう一つの滝へ。こちらは、洞窟のように裏側から滝がみられる。みんな声をあげて、通っていく。風向きでびしょぬれ。タオル持ってきて良かったね。傘忘れたけど。海にも行くが、ニースやバルセロナの海とは異なり、北海道のような荒波だ。くらげこそいないけど、アゲインストの風が吹く中、鬼ごっこ。逃げ足だけは素早いシュシュ。アイスランドのお土産は毛糸のセーターがあたたかそう。サイズも豊富だ。でも、日本はこれから超絶の夏。パリも今年は気温が高めだ。とても高い保温力を持つと日本でも評判なそうだが、ブリュッセルに住むシュシュも、「これから夏だよ・・・」とつれない。「長い一日」は夕方には終わった。

 

「レイキャビク市街に行こうか」といっても、「ここでいいじゃん」とシュシュ。基本、インドア派な二人。ヒルトンはレイキャビクの市街地から離れた場所にある。行って帰ってくるだけでも一苦労だ。そのまま、ホテルのレストランに入る。

 

食事、おいしい。シュシュは、食事のときユーチューブ等の動画を一緒に見てというのが習慣だ。自宅でもそうらしい。シュシュもハマっている「食戟のソーマ」では、ヒロインの薙切えりなが「北海道講座」を開催し、じゃがいもを様々に利用しソーマたちが立ち回る姿がヨーロッパでも感動を与えている。フランス語圏では人気が高い「食戟のソーマ」。実際にマルセイユなどで食戟のようなイベントがあるのだという。そんなときサーブされたのが、ポテト。じゃがいもなのだけど、味が3つに分けられていて、二人で「北海道講座」の内容に納得しつつ、食べてしまう。

 

その後は、シュシュが学校の課題の話し相手に。シュシュからにゅっと渡されたのは、日本語に訳すと、「今夜、僕は夫婦と別れた」とでもなるだろうか。フランス語の本で、両親が離婚した少年について扱った本だ。フランスでは、離婚率も高い。フランスでは、両親がこどものために犠牲になって・・・という考え方はメジャーではない。例えば、こどもをフランスに残して、TBSNEWS23のキャスターになった雨宮塔子さんも日本では理解されないが、フランスでは、彼らの子どもはわがままにうつる。というのも、雨宮さんは専業主婦として、約10年近く家庭内にいたからだ。送迎も含めて全部ママンにやってもらえるのは、実際、フランス人でもそれほど多くはない。それは、母親にもひとりの女性としてキャリアを描く権利があると考えられているからだ。だが、残された子どもの方はそう思わないかもしれないし、離婚率も高ければ結婚率(カップル率)だって高いのがパリだ。だから、様々な環境にいるこどもがいることを理解させるために、課題図書はたいていこういうものが多い。

 

シュシュは、時折センチメンタルな意見も述べるが、僕は聞き役だ。別にシュシュの言っていることは、心から素直に出る言葉だ。嘘はない。でも、「あんまり、書物の影響を受けんなよ」と釘を指す。「しょうがないじゃん、課題図書なんだから」とシュシュ。

 

物語は、離婚の葛藤に苦しむ少年だ。パパもママも二人とも大事だし遺棄感があったから、二人から離れた。そんな高校生の男の子のストーリーだ。2日間、いずれとも「離婚」した彼なりの反応、思春期において離婚をどう考えるかだ。だがシュシュに家出してもらっても困るので、時々、それぞれの良いところも伝えながら話しを進めた。

 

最近のシュシュの近況を教えてもらいながら、そのまま、就寝。

 

次の日、「ブルーラグーン」という温泉施設に。温泉が青に輝きまぶしい。ところどころに温泉源の煙が上がっている。温泉の中にあるカウンターではパックができる。シュシュくんも白シュシュに。シュシュくんが白くなっている間に、温泉でビールを買っている僕。ビールを飲む人は、すみによるので、アメリカ人と他愛のない会話をして、シュシュが割り込んで楽しむ。シュシュは、同世代の女の子に声をかけている。将来、大物の予感。ブルーラグーンでは、腕輪が渡される。この腕輪、会計もできてしまうので要注意だ。シュシュくん、お値段800円くらいのフルーツセットを買って満足そう。誰が精算するんだよ。

 

「ブルーラグーン」から帰ったら、市街地に行こうかという話しをしていたものの、ヒルトンは郊外にあるので、ホテルでたくさんの人がまったりしていたので、まじってまったりすることに。スカンジナビア文化との違いや関連して画家・ムンクの生い立ちと作品に与えた影響について語り合った。

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