離婚の手続き・流れ

日本の離婚状況について

日本の離婚状況について

 「日本では夫婦の3組に1組が離婚している」

 などと言われることがありますが、実際にはどのくらいの夫婦がどのような方法で離婚し言えるのでしょうか?

今回は、厚生労働省の統計資料などをもとに、日本の離婚状況を読み解いてみましょう。

 

1.離婚件数は減少傾向にある⁉

平成29年における厚生労働省の「人口動態統計」によると、平成29年に離婚した夫婦の数は 212262 組でした。前年(平成28年)の離婚件数は 216798組だったので、4536組の減少です。

離婚率は0.17%であり、やはり前年の0.173%より低下しています。

 

これまでの経過をみると、日本では、昭和39年以降離婚件数が年々増加して昭和59年に18万件程度になりました。その後いったん減少に転じましたが平成に入り再び上昇し始めて、平成14年における289836件となります。その後は再度減少に転じて現在に至ります。

 

近年では離婚件数だけではなく婚姻件数も減少しています。平成29年における婚姻件数は606,863件であり、前年の62531件と比べると13668件も減少していますし、婚姻率も、前年の0.5%から0.49%に減っています。

 

このように、日本では婚姻件数や婚姻率とともに離婚件数、離婚率も下がってきていると言えます。

 

2.夫婦の3組に1組が離婚している、というわけではない

テレビでは、「10秒に一組別れている」とか「3組に1組は離婚する」とかいわれることもありますが、実際のところどうなのでしょう。

上記の「婚姻件数(約60万件)」と「離婚件数(約20万件)」のデータから「日本人の夫婦は3組に1組が離婚している」などと言われることがありますが、これは必ずしも正しい言い方ではありません。

上記の「婚姻件数(婚姻率)」「離婚件数(離婚率)」は、「その年に結婚した夫婦」と「その年に離婚した夫婦」の統計資料です。しかし「その年に離婚した夫婦」には、その年に結婚した夫婦だけではなく過去に結婚した夫婦のすべてが含まれるので、このような統計のとり方をすると離婚件数が高めに見えてしまうのが当然です。そこで、日本では必ずしも「結婚した夫婦の3組に1組が離婚している」とは言えず、実際の離婚割合はもっと低いと考えられます。

 

3.同居期間による離婚件数

人口動態統計では同居期間別の離婚件数も発表されています。

データでは同居期間を5年刻み(20年以上はひとくくり)で区切っていますが、もっとも離婚率が高いのは同居期間が5年未満の夫婦で、66,491件となっています。

次に多いのが5年~10年未満の夫婦で、42,333件です。そして20年以上、1015年未満、1520年未満と続きます。

この結果から、同居期間が短い夫婦であればあるほど離婚に至りやすいことが読み取れます。また、実態としてはこどもの有無にも関わってくる可能性もあります。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai17/dl/kekka.pdf

 

4.都道府県別の離婚件数

離婚件数や離婚率は、都道府県や地域によっても異なります。

全国でもっとも離婚率の高いのは「沖縄県」です。離婚率の全国平均が0.17%であるのに対し、沖縄の離婚率は0.244%となっており、全国でも突出して高くなっています。北海道の離婚率も高いです。

次いで大阪市、札幌市などが高く、いずれも0.2%を超えています。

東京は0.174%であり、全国平均より少し高い程度です。

離婚率が低いのは新潟県の0.124%、山形県の0.133%、秋田県の0.138%などです。

 

これらの結果からすると、離婚率については都会で高い、地方で低いなどの特徴があるわけでもなく、地域ごとの県民性が影響していることを読み取れます。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai17/dl/h9.pdf

 

5.離婚件数についての考察

日本では、平成14年以降離婚率が減少傾向にありますが、離婚率0.17%は高水準と言えますし、昭和の時代から比べると、離婚率は大きく上昇しています。

このように離婚率が上がったのは、「家」制度の概念が崩壊し、個人主義が浸透してきたことが影響していると考えられます。実際に家庭裁判所における離婚調停でも、申立理由として「性格の不一致」がもっとも多く挙がっています。特に不倫や借金、暴力などの差し迫った問題がなくても、お互いが合わない場合には比較的ドライに離婚を選択している現状が垣間見えます。

また女性の社会進出が進み、共働きの夫婦が増えたことも1つの理由でしょう。東京からの相談では女性にもキャリアがあり所得もそれなりにある、という相談がめずらしくありません。女性にも収入があれば、生活のために辛い結婚生活を我慢する必要もなく、子どもを連れて離婚に踏み切ることも容易になります。

 

また、最近では、夫の定年退職後に離婚する「熟年離婚」の夫婦も増えています。以前は高齢者が離婚することに対する偏見や抵抗感がありましたし、実際に高齢の女性が離婚後一人で生きていくのが困難な状況がありました。印象としてはこどもが小さい間は、ということで離婚を先延ばししたが、こどもが成人し先延ばしする理由がなくなったということもあると思います。

しかし最近では年金分割の制度なども創設され夫の年金記録を分けてもらうことができます。また、配偶者も自ら相続財産を取得し余裕がある場合もあり、また子供たちが親の近くに住んだり同居したりして生活するケースも増えています。離婚時に夫から財産分与をしっかりもらえれば、離婚後の生活をやっていける女性が増えていると考えられます。反対に言いますと、離婚後の生活がしっかりやれるかが熟年離婚のキーワードとなります。

 

6.協議離婚、調停離婚、裁判離婚の割合

離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があり、裁判離婚には判決離婚と和解離婚、認諾離婚があります。

 

  • 協議離婚

夫婦が話合いをして離婚に合意し、役所に離婚届を提出することによって離婚する方法

  • 調停離婚

家庭裁判所で調停委員を介して話合い、合意によって離婚する方法

  • 審判離婚

離婚調停を進めてきたが、些細な食い違いや最終期日に当事者が来られない場合などに、裁判官の判断によって離婚を認める方法

  • 判決離婚

離婚訴訟で、裁判官が判決によって離婚させる方法

  • 和解離婚

離婚訴訟において、途中で当事者が話し合い(和解)によって離婚する方法

  • 認諾離婚

離婚訴訟において、被告が原告の言い分を全面的に認めて離婚する方法

 

これらのうち圧倒的に多いのが協議離婚です。年によって増減はありますが、だいたい離婚する夫婦の8割は協議離婚の方法によって離婚しています。

次に多いのが調停・裁判離婚で、2割前後です。

この結果からは、日本人の場合「自分たちで話合いをして離婚する」という文化がなじみやすいと考えられます。しかし実態は、話し合いも十分になされていない、ないし、強引な話し合いをされただけ、というケースも散見されます。こういう場合は速やかに弁護士に相談してください。

もっとも、「後悔のない離婚」を実現するために、最近は調停離婚を通すことも増えつつあると考えられます。特に協議離婚の場合、別途、離婚協議書を作成するのが望ましいですがこうしたものも作成されないで離婚するのは諸外国と比較してみても、日本の協議離婚制度に問題がある点と解されます。

 以上が日本の離婚状況です。参考にしてみてください。

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