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養育費は結局、口実にすぎなかったのかな。

今般の法制審では、養育費債権の未払いについて、金融機関の本店に裁判所照会をする制度をつくります。 以前の名古屋高裁における全店を対象とする方式がある意味立法化されたのと同じといえます。 ところが、その射程は養育費だけではないそうです。養育費の不払いは社会問題化しているほど社会問題化しているのか、テレビのニュースをみている限り分かりません。 むしろ、母子家庭に対する公的給付が200万円前後をもって、大方打ち切りになってしまう現在の制度の建付けの方に問題があるように思われます。 ところが、現実には、支払い義務がある人の財産の差し押さえを容易にする制度を導入する方針を固めた。裁判所が金融機関に預貯金口座の有無を照会し、支店名や残高を回答させる仕組みを柱とすることになってしまいました。ですから、金銭債権の差押え等にも利用できることになり、賃料の不払いなど、弱者救済をうたって検討がはじまったもののふたを開けてみたら、強者の典型である債権者有利な展開になってきたな、その中で特殊な養育費を持ち出して反対しづらくするというのは、少しどうかと思います。 たしかに、離婚後養育費をもらっている方は5割程度といわれますが、再婚をしていたり死亡したり、女性側が受け取りを拒んだり算定表上養育義務がなくなったりといろいろなケースもあるので、ラべリングを利用しているという印象を受けます。 しかし、今回の債権執行の改正は、強制執行の実行性を挙げるという意味で銀行実務、弁護士実務に大きな意味を与える改正になるものと思われます。個人的な意見ですが、金融機関それ自体は特定しないといけませんから、養育費については、全く見当のつかないところに口座があるケースがおれおれ詐欺の効用でなくなってきました。したがって、家裁実務に与える影響、インパクトは制度論ほどはないように思われます。