養育費

離婚後に再婚し、再婚相手の子らと養子縁組をした場合、事情変更?

 本件では、江藤鈴世さんが安西双葉さんと再婚し、安西さんとコータさんとの間のこどもである吟蔵を養子縁組をした場合、減額調停ができるかですね。

養育費減額調停

 シュシュ:本件の場合、もともと江藤さんと市橋さんが結婚していて、緋生、千騎がいるところ、江藤さんが安西さんと再婚して、吟蔵を養子縁組したところが問題ですね。

 弁護士:うん。札幌高裁平成30年1月30日です。

 シュシュ:普通に考えると、扶養すべきこどもが増えただけだから減額は認められるよね、なぜ取り上げられたのだろう。

 弁護士:うん、わかりやすくいうと、裁判所の算定表で前の離婚を決めていれば良かったのだけど、算定表だと1万5000円になるところ、鈴世さんは月額4万円を支払っていたんだね。そこで裁判所方式におおむね、2万5000円を加算するのが合理的とされてしまいました。前にはこのコラムでは指摘しているのですが、弁護士をつけて算定表で争った方が養育費は、同時に公表された場合、最大26歳まで支払わなければならないとする裁判例もありますから、月額いくらのことで弁護士に依頼をするというよりも、法律の専門家で離婚事件に強い弁護士に頼むのが良いと改めて思う事案ですね。

 シュシュ:結局、裁判所方式は減額できても、2万5000円部分は減額できない、ということだよね。

 弁護士:まあ政治的美名でいうのであれば、本件では新たな養育費の負担を求めるものではなく、合意で定められた養育費の額の返還を求めるものであるから、合意の意思を尊重するのが相当である、としました。最終的には2万円とされています。

判決文

本件において、当事者双方が同合意に際し、標準算定方式による試算をしたことを認めるに足りる資料はないが、上記のとおり、客観的に見て標準的算定方式による試算額を大きく上回る養育費の合意をしていることからすると、同合意における当事者の意思としては、標準算定方式による試算額を上回る場合であっても、その資産額の差額分を加算する趣旨であったと解するのが合理的である。

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