生活費

婚姻費用分担請求が信義則に反するとき

 婚姻費用分担請求は、昔は同居義務違反の場合も否定されていましたが、最近の判例では見当たりません。

 現在は不倫をしている場合に、婚姻費用分担請求が否定されるということがあります。

 例えば、有責配偶者である妻から離婚訴訟を提起され、他方で婚姻費用分担請求を起こされたというケースがありました。

 有責配偶者からの離婚請求は認められませんが、婚姻費用という「負担感」を夫側に与えることで離婚に応じさせようという戦術でした。

 しかし、福岡高裁宮崎支部平成17年3月15日家月58巻3号98頁は妻が、婚姻関係が破綻したものとして、夫に対して離婚訴訟を提起して離婚を求めるということは、信義則違反とされました。

 離婚手続き中は、夫婦共同生活としての物心両面からの支援はなく、別居後は財産分与の対象からも外れることに照らしても、離婚手続き中の婚姻費用分担請求は困難な問題であるが、これを消極的に解した事例といえます。

 逆にいうと、婚姻費用という負担感を与え離婚を迫る有責配偶者に一定のしばりをもうけた裁判例といえると思います。
 

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