慰謝料

離婚慰謝料

離婚慰謝料というと、離婚すると必ず発生する印象があります。

しかし、意外と離婚慰謝料について、正しい知識を持っている実務家も乏しいかもしれません。

慰謝料とは、不法行為により精神的損害を被った場合に支払われる損害賠償のことをいいます。ですから不法行為が成立しなければならず、近時は成立要件を厳格に解することで、離婚の慰謝料否定説の学説と平仄を合せようとする動きも垣間見えます。

離婚慰謝料には、離婚原因となった個別の有責行為、つまり暴力・不貞・悪意の遺棄から生じる精神的苦痛の慰謝料でした。しかし、事実の変動を発生させ離婚を求めるのは、女性側の方が多いように思います。ですから、冷却期間を目的とした別居は女性の場合、悪意の遺棄ということはできませんから、典型例は、暴力・不貞とされています。

また、離婚そのものから生じる離婚慰謝料があります。不思議で離婚ができたらみなさんハッピーになるのですが、離婚を強いられることによる精神的苦痛に対する慰謝料なのですが、この点は、明確にクロスする場合があればそうでない場合もあるのですが、中には裁判官も知らない人がいてびっくりすることもあります。

離婚自体から生じる慰謝料は、離婚が成立した時点に発生します。したがって、離婚慰謝料の消滅時効は離婚が成立して初めて評価できるとして、離婚成立時から進行すると考えることが論理的ではあります(最判昭和46年7月23日)。しかし、10年前の不貞行為などは、離婚原因行為としては消滅時効にかかっています。もっとも、離婚原因慰謝料とされれば、消滅時効の完成が認められない可能性がないわけではなく、明確に区別されていないこと、つまり一括処理により権利が不明確になっていると考えられます。

もっとも、期間が経過すれば証拠自体も劣化してしまいます。したがって、離婚原因行為から3年以内の請求が望ましいといえるでしょう。

しかし、離婚慰謝料といっても、不貞・暴力以外には、どのような場合に発生するかは、意外とクリアではありません。したがって、離婚慰謝料は発生しないことが多いともいわれます。メルクマールとしては、有責性の程度ということになるということでしょうが、婚姻継続の努力を怠った場合は減額される、という整理もあります。しかし、こうした判例の事案に向かい会うと不貞行為の存在が多いように思います。先ほどのとおり離婚慰謝料は相手に不法行為の法律要件を満たさないといけません。具体的には、過失や加害行為の特定が難しいところで、家事事件ですと主張はクリアできても証明できるかという問題が出てきます。したがって、婚姻を破綻させた責任がどちらにあるか分からない場合やお互い同じ程度という場合には、離婚慰謝料は発生しません。

 また、不法行為と離婚慰謝料との間には因果関係が認められないといけません。ですから、5年前にDVがあっても、その後こどもが生まれた場合に、そのDVを根拠に離婚慰謝料を請求するのは、いったん修復しているとみられることから難しいのです。ですから、相手が不貞行為をする前に、すでに婚姻が破綻していた場合は、不貞行為と離婚との間に因果関係が認めらませんので、慰謝料をもらうことはできません。

・おもしろいものとしては、婚姻期間3年で、夫が仕事熱心のため帰宅が遅く夫婦の会話に時間が割かれず円満な家庭を築く夫の努力不足が100万円の慰謝料とされた事案がありました。もっとも、生活費を入れていた場合、それが悪意の遺棄にはならないでしょうし、慰謝料を認めることが相当であるのか、クエスチョンもあります。
・また、年間に数えるほどしか掃除をしない、火災がこわくてストーブがつけられない、年収が700万円なのに、こどもの習い事に400万円を費消するなどの非常識な行為をする妻に200万円の慰謝料の支払いが命じられています。
・また、SIV、つまりDVといわれながらも水平の関係の場合は慰謝料が否定されがちです。一例を挙げれば夫の暴力、妻の不貞という場合は慰謝料が双方なしということになっています。また、宗教活動の行き過ぎた妻と暴力夫というケースでもゼロとされています。つまり、対等に争うようなケースでは、なかなか双方の有責性の程度が同等であるといえることが多く、棄却されることが多いといえます。

さて、離婚慰謝料の相場ってどのようなものでしょうか。東京家庭裁判所の平成16年から22年までの統計をみます。

100万円以下 3割
200万円以下 3割
300万円以下 2割
400万円以下 1割
500万円以上 1割

概ねこのような形となっています。離婚慰謝料に財産分与を含めている例もあるので、500万円以上のケースはほぼ無視して良いと思います。これをみますと、200万円以下で6割を占めていることが分かります。そして、300万円以下で8割を占めます。したがって、離婚慰謝料は、抽象的には、100万円から200万円の間が、分布としては多いということができると思います。
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