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生命保険、学資保険、年金保険の財産分与

生命保険、学資保険、年金保険の財産分与

 

婚姻時に保険に入っていたら、離婚するときに財産分与の対象になる可能性があります。

保険には生命保険や学資保険、年金保険や火災保険などいろいろな種類があるので、見逃さないようにしましょう。特に火災保険については忘れやすいですね。火災保険も契約期間の途中で解約すると残りの期間に応じた保険料の返還があります。この解約返戻金は未経過保険料ともいいます。長期一括払いをした場合の解約返戻金は一括払保険料に経過年月に応じて定められた割合を乗じた金額となります。以下で見ていきましょう。

 今回は生命保険を始めとした保険の財産分与方法について、名古屋で離婚相談をしている財産分与に詳しい弁護士が解説します。

 

1.財産分与の対象になる保険とならない保険

保険にはいろいろな種類がありますが、すべてが財産分与対象になるわけではありません。

対象になるのは「積立型」の保険のみです。

 

保険には「積立型」と「掛け捨て型」のものがありますが、掛け捨て式の保険には財産性がないので財産分与の対象になりません。

 

積立式の保険には、以下のようなものがあります。

  • 生命保険
  • 学資保険
  • 年金保険

 

掛け捨て式の保険には以下のようなものがあります。

  • 生命保険
  • 都道府県民共済
  • 自動車保険
  • 自転車保険
  • 医療保険
  • 傷害保険
  • 個人賠償責任保険

 

生命保険など、積立型のものと掛け捨て型のものの2種類が存在する保険もあります。そこで財産分与をするときには、まずは加入している保険がどちらのタイプかを確認する必要があります。

保険会社から送られてくるお知らせなどの書類に「解約返戻金」が書いてある保険は積立型、解約返戻金のない保険は掛け捨て型です。

お知らせなどの書類が手元にない方、当初の契約内容を覚えていない方は、一度保険会社に問い合わせてみましょう。

 

2.財産分与の対象になるのは「解約返戻金相当額」

積立型の保険がある場合、財産分与対象額はどうやって計算するのでしょうか?

この場合「解約返戻金相当額」が保険の評価額となります。

解約返戻金とは、「今保険を解約したらいくら返ってくるか」という金額です。通常、払い込んだ掛け金に応じて解約返戻金が上がるので、契約年数が長くなるほど解約返戻金額は高額になります。

解約返戻金の金額は、保険会社から届く通知などの書類に記載されているので、だいたいの金額は通知書を見れば把握可能です。最近は目安がパンフレットやホームページに記載されている場合もあります。

現在の正確な解約返戻金の金額は、保険会社に問合せをして「解約返戻金証明書」を発行してもらい確認します。ただし解約返戻金証明書の申請は契約名義人にしかできません。たとえ夫婦であっても、相手名義の保険の解約返戻金証明書を受け取ることはできないので、相手本人に申請をさせて開示を受ける必要があります。相手方名義の開示については弁護士に交渉してもらいましょう。

 

3.保険のうち、財産分与対象になる部分

積立式の保険があっても、解約返戻金の全額が財産分与対象になるとは限りません。

生命保険は「独身時代や就職した時から掛け金を払っている」ケースも多いからです。独身時代に支払った分については夫婦が共同で積み立てた財産とは言えないので、財産分与対象から外す必要があります。

たとえば生命保険に加入している期間が20年で、独身時代に掛け金を払った期間が10年、婚姻期間に掛け金を払った期間が10年であれば、基本的に解約返戻金の半額が財産分与対象です。現在の解約返戻金の金額が300万円であれば、150万円を夫婦で2分の1ずつに分けることとなります。仮に保険を維持したい夫は、取得する場合に妻に対して150万円を支払わないといけないことになります。

 

4.保険の財産分与の方法

保険を財産分与する際には、解約返戻金額を基準にして、夫婦がお互いに2分の1ずつ取得します。このように言うと「保険を解約しなければならないのか?」と考える方も多いのですが、そういう意味ではありません。

現在の解約返戻金の金額をもとにして、現金で清算するケースが多数です。

たとえば夫が契約者となっていて100万円の解約返戻金のある生命保険がある場合、夫が妻に半額の50万円を払って清算します。

夫にその支払い能力がない場合には、保険を解約して妻に50万円を払わねばなりませんが、他から資金を捻出できるのであれば保険自体を解約する必要はありません。

 

5.学資保険について

子どもが未成年のケースなどでは、よく「学資保険」を利用しているものです。学資保険がある場合、「子どもの親権者になったら当然に学資保険を引き継げる」と思われていることがありますが、実際にはそうではありません。

学資保険は基本的に財産分与の対象になるので、親権者となってももらえるのは半額です。もしも学資保険を引き継ぐのであれば、相手に解約返戻金相当額の半額を払わねばなりません。

ただしこどもの福祉のために相手の了承があれば、親権者が学資保険を全額引き継ぐことも可能です。ですからお子さんの幸福を考えて弁護士とよく打ち合わせをしましょう。

 

6.保険の名義変更方法

ケースによっては、保険の名義変更をしなければならない場面があります。よくあるのが子どもの学資保険で、婚姻中は父親名義で学資保険を契約していたけれども、母親が親権者となったので保険契約者を引き継ぎたいと希望するケースなどがあります。

この場合、まずは契約している生命保険会社に連絡をして、名義変更用の書類を取り寄せます。そして必要事項を記入して、指定された必要書類を返送すれば名義変更に応じてもらえるでしょう。

その際、契約者が届け出ている印鑑や本人確認用の身分証明書等が必要となるので、手元に用意しておきましょう。

 

なお保険内容によっては名義変更ができないケースもあります。その場合には、いったん解約して現金で清算し、あらたに別の保険に入り直すことをお勧めします。

 

契約者が親権者となる場合は、問題ありませんがこどもの親権者が契約者と異なる場合には、契約者の名義を変更する必要があります。

例えば、夫が契約者であり、かつ、受取人である場合の学資保険に加入しており、妻が子どもの親権者となった場合です。

 

7.見落としやすい保険

生命保険や年金保険などの保険は積立型であれば財産分与の対象になりますが、見落としやすいものもあります。

たとえば相手が会社経営者の場合、多くのケースでは退職金の支給を受けるため高額な生命保険に加入しているものです。しかしこういった会社の保険は家族生活と関係のないところで加入しているために、妻が気づかないケースも多数あります。ただし会社が契約者となっている場合には基本的に財産分与の対象になりません。

 

また会社員などが退職後、企業年金を受け取るための「年金保険」も財産分与の対象です。名古屋の弁護士ではこのことをそもそも知らない弁護士がたくさんいます。離婚に詳しい弁護士に依頼することの重要性を認識する瞬間です。年金保険は民間の保険会社と契約するものであり、公的年金である「厚生年金」とは違います(厚生年金は財産分与の対象になりません)。

年金保険の解約返戻金額も保険会社に問い合わせて解約返戻金の証明書を送付してもらえばわかります。財産分与の際には、忘れずに取得して半分ずつに分けしましょう。

 

積立型ではありませんが、火災保険では、当初に数年分まとまった金額を支払うので、解約時に大きなお金が返ってくるケースがあります。その場合にも、返ってきたお金を夫婦で分け合います。火災保険は知らない離婚弁護士も多くいます(10年などの長期契約をしている場合、1年契約を10回繰り返すよりも保険料が割安になっています。その場合、割引を適用しているのだから途中解約できないのではないかと心配に思う人がいるようですが、そのような心配は不要です。火災保険はいつでも解約することができます。)。別居後の保険期間の一括払いの先払い部分も財産分与の対象になります。

 

生命保険、年金保険、学資保険などの財産分与方法がわからない場合や相手ともめてしまったときには、弁護士が正しい方法についてアドバイスをいたします。あなたの代理人として相手と交渉することも可能なので、名古屋で離婚にお困りの方は、お気軽にご相談下さい。特に財産分与に詳しい専門性のある弁護士があなたをサポートいたします。

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