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離婚するとき退職金の仮差押え

夫と別居している最中に、会社を辞めてしまうことがあります。特に50~60歳くらいですと、それなりの退職金が支給される可能性があります。しかし、これは当人と会社の雇用契約の問題であるため、情報はなかなか入ってきません。このような場合は離婚弁護士に相談して、仮差押えも視野に入れるべきと考えますが、供託金の問題も考えておく必要があります。

退職金は財産分与の対象だが支払われてしまったら?

 退職金については、財産分与の対象になるのかという問題もあります。というのも、退職金は将来に支給されるものですし、若い間に退職してしまったら少額しか支給されないものだからです。

 また、50代を超える場合は裁判所実務では、ほぼ退職金が財産分与の対象になることに争いはありません。

 では、既に支払われてしまった退職金はどうなのでしょうか。このような処理は弁護士でも悩む場合があります。

一度、支払われた退職金は財産分与できる?

 既に支払われている退職金については、どのように考えるかは争いがあります。

 支払われていない場合は、婚姻期間と勤務年数で算定された額を財産分与の対象とすることが多いといえます。計算式としては、退職金÷勤務年数×婚姻年数となります。

 支払われている場合、他の財産と区別できる口座には上記の数式があてはまると思います。しかし、別居時に既に支払われている場合は、預貯金として財産分与の対象とされます。もっとも、専用口座でもない限り、すぐに混ざってしまうことが多いので、1年後の別居などでは、男性側は上記数式を主張して、特有財産部分があるという主張は難しくなるのではないかと考えられます。

 このように以外と退職金は、特有財産の主張の特定を証拠によって行う必要があります。金額が支払う方、支払いを受ける方、いずれも金額が多額であれば離婚弁護士をつけるのが相当であると思います。

 つまり、預貯金として処理され退職金とその他の財産の区別が困難な場合は上記数式は適用されない場合があります。

将来給付される退職金はどうなるの?30~40代??

 将来給付される退職金については、途中会社が倒産したり退職したりする可能でありがあり、大幅に給付額が減少する可能性があります。財産分与の対象となるのが原則ではありますが、30代から40代は退職金が財産分与の対象になるか争いとなります。また、考慮されるとした場合、別居時に自己都合退職した場合の退職金を基準としているように思われます。

 今回の事例についてみると、既に夫が会社を退職し退職金が支給済みであれば会社に対して強制執行をすることはできません。これに対して、夫の退職金を会社がまだ支払っていない場合については、将来給付される退職金債権を差し押さえることができるでしょう。

 差し押さえることができる金額は年齢や倒産可能性などによっても異なってくると考えられます。最大では、退職金総額÷勤務年数×同居期間になるでしょうが、定年時を基準とした支給額か、自己都合を前提としたものかでも変わってくるでしょう。

意外と大変、仮差押え

 仮差押えの申立ての必要性は、相手方が退職金を隠蔽したり費消したりする可能性があるかどうかによるかと思われます。例えば、従前、預貯金の開示を求めているのに一切協力しないとか、浪費癖があったり、婚姻財産を隠している場合などは保全の必要性が認められる可能性があるでしょう。

 ただ、保全裁判所は、保全の必要性を厳しく判断する場合は、不動産の有無などを指摘してくる可能性もないとはいえないでしょう。

 また、供託金の問題もありますので散逸の可能性が高いと考える場合に早急に離婚弁護士と相談されることをお勧めします。

 仮差押えが無事認められますと、退職金の支払いが止まり、退職と同時に退職金が支給されてしまっている場合はむしろ預貯金を仮差押えするということになるでしょう。その他、中小企業退職金共済や建設業退職金共済に加入しているのであれば、そちらに執行をかけることもあり得ましょう。

 なお、預貯金に強制執行するのは、相手方が差押えを免れるために、別口座に振り分けているという指摘もあります。もっともなことですが、最近は自宅のそば以外では、預貯金口座が作れないことも少なくなく、また会社が退職金を支給したことを認めている以上は調停などの手続を進めて、調査嘱託ができれば制度を利用して、必要に応じて仮差押えをするなども考えられます。

 仮差押えは弁護士の腕の見せ所といったところです。財産分与請求権を保全するために退職金の仮差押えを申し立てをお考えの場合、供託金も考慮したうえで名古屋駅の離婚弁護士、名古屋駅ヒラソル法律事務所にご相談ください。

 

 

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