お金に関するお悩み

当事務所で不貞の慰謝料の弁済による不貞相手請求棄却判決が出ました。

 

 不貞の慰謝料請求に関しては、不真正連帯債務であるところ、一方が弁済してしまえば他方が弁済する必要はなくなる絶対効があります。

 しかし、それの理論的にはそうであれ、実態は、離婚慰謝料は不貞だけではなく浪費、性交渉の拒否、悪意の遺棄、暴力などの要素もあるため、不貞相手に別途請求をして認容される例も少なくないという印象を持っていました。

 この点について、当事務所の勝訴判決である名古屋地裁平成30年4月25日は、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益は、第一義的には配偶者相互間の協力によって維持されるべきものである上、不貞相手である被告が、高プロの職業の訴外第三者との関係で年齢や社会的立場等あら、被告が、訴外第三者との不貞行為及びその継続を主導することはできない」と指摘し、第一義的には、夫側の責任が重いこと、主導的地位にあるか否かを検討していることが特筆されます。

 また、弁済済みの抗弁に関しては、要旨、財産分与は、清算的要素以外に扶養的要素、慰謝料的要素が含まれているところ、原告と訴外第三者は高プロであり、訴外第三者が原告に対して相応の養育費を分担していることなどからすれば、原告と第三者との関係において、扶養的要素を考慮する必要はない、と指摘しました。

 次に、原告の第三者に対する離婚慰謝料は、被告に対する200万円の慰謝料よりも多額になると指摘し、訴外第三者が200万円の慰謝料につき、300万円余りを支払っていることを指摘し、慰謝料として清算金を支払ったものと指摘しました。

 そのうえで、原告の被告に対する損害賠償請求権は、共同不法行為者である訴外第三者の弁済により全額填補された、少なくとも原告の精神的苦痛が全て慰藉されたことによって消滅していると認めるのが相当である、と結論したものです。

 実は、多額の財産分与をしているから慰謝料は弁済済みといった訴訟は地裁には多くありますが、なかなか東京地裁でも否定される判例があることから、公表されている判例では、ストレートに認めたもの、そして認めるにあたり、その他未払い婚姻費用を考慮しているなど、思考過程を明らかにしたものとして、今後実務上の参考になると思い、紹介する次第である。

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