再婚

配偶者の親族との養子縁組の解消

 本件では、離婚した場合に連れ子を養子縁組することはよくありますので離婚する場合はどうでしょうか。また、同じく、嫁方の父母と養子縁組をしたものの離婚する場合はどうでしょうか。たとえ離婚が成立しても、養父母との関係が継続すると、将来の再婚の妨げになる可能性があります。婚姻の際に配偶者の親と養子縁組をすることについては、格別の慎重さが必要です。

通常は、離婚すれば、協議離縁に応じてくれることが多い

 離縁は当事者の協議で行うことが一般的ですが、離縁についての話し合いがまとまらない場合は家裁で離縁の判決を得るしかありません。最近裁判官と話したところでは、離縁の判決を得るには、離婚があれば離縁も認められるという法定の要件が具備されやすいとの見解でしたが、調停委員などはこれに反対の意見を持っている人もいるようです。原則は裁判官のいう見解なのでしょうが子の福祉の観点から、生活が成り立たないのに離縁してしまうような行為は信義則に反するかもしれません。

離婚が決まったら離縁もできる?

 夫婦仲が悪くなり、離婚することになった場合、あるいは妻が死亡した場合には、妻の両親との養子縁組や、連れ子との養子縁組をそのままにしておきたくないという心情もあるでしょう。

 まず養親からすれば、娘の夫、あるいは妻の子だから養子にしたのですから、離婚したのであれば、縁を切りたいと考えるのが普通です。

 しかし離縁の場合、生活費以外であまり問題とならないのは、例えば、夫が再婚する場合に元妻の実家と姻族関係にあったり、連れ子も実父でないペーパー上の親子関係を維持する必要性がなく、感情的関係をぎくしゃくするでしょう。

 したがって、心理学的には養子縁組は解消方向に向かい、あまり問題は生じないのです。

離縁で揉めたら

 離縁で揉めてしまうと協議離縁ができませんが、調停や裁判をするまでもないので、一定の紛争解決金を支払うなどして、離縁してもらうのが妥当なのではないでしょうか。

 なぜなら、離婚と違って離縁事由には、「不貞」がありません。また、婚姻を継続しがたい重大な事由の主要な因子である「長期の別居」も親とは同居しないのが普通ですので、意外と離縁裁判は難しいと形而上学的には考えられるのです。

 一般的にほとんど「その他離縁を継続しがたい重大な事由」にあたるか否かが裁判で審理されます。

跡取りタイプの場合の離縁が認められた事例

①将来自分の後継者にするため

②暴言や暴行があった

③養子夫婦が不仲に

④離婚訴訟が提起

⑤養親との対立も深まっている。

離縁を認めなかった事例

神戸地裁昭和25年11月6日

連れ子の養子縁組は、離婚が成立すれば裁判離縁も認められる方向性

東京地裁平成16年8月31日

2 争点(1)について
   前提事実及び上記1において認定した事実を総合すると,原告X1と被告の婚姻関係は,婚姻生活中における口論,被告の原告X1及び原告X2に対する暴力等を経て原告X1が婚姻関係を継続していく意欲を喪失したこと,被告が平成15年10月自宅を出た後別居状態が継続していること,その後別居状態を解消する見込みが立っていないこと等により破綻したものといえ,婚姻を継続し難い重大な事由が存在するものと解するのが相当である。
 3 争点(2)について
   上記1において認定した事実からすると,長男Aは未だ9歳と幼少であること,原告X1と被告が別居した後継続して原告X1と生活を共にしていること等が認められ,また,現在の状況にかんがみると,被告が今後長男Aの親権者としての義務等を実際に果たしていくことは困難であると解される。これらの事実を総合すると,長男Aの親権者としては,原告X1を指定するのが相当である。
 4 争点(3)について
   上記1において認定した事実からすると,被告は原告X2に対し暴力を振るったり暴言を吐いたりしたことがあったこと,原告X2と被告は被告が平成15年10月自宅を出た後生活を共にしていないこと等が認められる。これらの事実に,2において検討したように原告X1及び被告の婚姻生活が破綻していること等を合わせ考慮するならば,原告X2と被告の縁組関係には,縁組を継続し難い重大な事由が存在するものと解するのが相当である。
 5 以上によれば,原告X1及び原告X2の請求はいずれも理由がある。

熟年離婚に関するお悩み