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離婚する主な原因について

 

離婚する主な原因について

 

夫婦が離婚をするとき、どのような原因が多いのでしょうか?

今回は日本の夫婦が離婚するときの主な原因や離婚する方法について、名古屋の弁護士が解説していきます。

 

1.男性と女性で離婚したい理由が異なる

2017年の司法統計(裁判所による統計データ)では、夫婦が離婚調停を申し立てる際の「動機」が発表されています。これを見ると、離婚調停を申し立てた人がどのような理由で離婚を望むようになったのかがわかります。

 

これを見ると、男性と女性とで離婚したい理由が異なります。以下でそれぞれの結果をみてみましょう。

 

1-1.男性の場合

男性の場合、もっとも多かった離婚調停申立事由は「性格の不一致」です。全申立件数が17918件のうち、性格の不一致を挙げたのは11030人にも及びます。

次が「異性関係」の2547件です。つまり、妻が不倫や浮気をしたので離婚したいと希望しています。

3番目が「浪費」の2218件です。

 

男性が離婚を希望する理由

1位 性格の不一致

2位 異性関係(不倫、浮気)

3位 浪費

 

1-2.女性の場合

女性の場合にも、もっとも多いのは「性格の不一致」です。全申立件数が47807のうち18846件が性格の不一致を挙げています。

次が「暴力」で10311件、3番目が「異性関係」の7987件となっています。男性で3位であった「浪費」は女性の場合4位になっています。

 

女性が離婚を希望する理由

1位 性格の不一致

2位 暴力

3位 異性関係(不倫、浮気)

http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/024/010024.pdf

 

以上のよう日本で離婚する場合、男女ともに圧倒的に「性格の不一致」を理由として離婚を希望しています。

また異性関係も非常に多く、他の理由は男女でばらつきが出てきます。

 

それぞれの離婚理由がどのようなものか、個別にみていきましょう。

 

2.性格の不一致について

性格の不一致は、夫婦の生活習慣や考え方、価値観、子どもの教育方針が合わないなどの問題です。少しのずれであればお互いが譲り合うことで解決できますが、譲れない部分であったりずれが大きすぎたりすると、夫婦関係を維持できず破綻してしまいます。

 

ただし性格の不一致は法律の定める法定離婚事由になりません。協議離婚や調停離婚で当事者双方が離婚に合意すれば離婚できますが、訴訟になって相手が離婚を拒絶したときには基本的に離婚できないと考えましょう。

性格の不一致を理由に離婚するためには、長期間別居するなど夫婦の実態を失わせることが必要です。また相手と根気よく話し合い、協議離婚や調停離婚を目指す方法もあります。

なお性格の不一致が原因の不仲であっても、相手が不倫した場合や暴力を振るわれたケースなどでは不貞やDVを理由に離婚できる可能性があります。

 

3.不貞について

次に男女ともに多かった「異性関係」について解説します。

異性関係とは、相手が不倫、浮気していることです。

不倫や浮気は配偶者に対する重大な裏切り行為なので、法律においても離婚原因とされています。ただし不倫や浮気で離婚するには、配偶者と不倫相手が「肉体関係」を持っていることが必要です。お互いに好意を持ってデートなどをしていても、男女の性関係がなければ法律上の「不貞」にならず、離婚原因としては認められません。

 

また配偶者の不貞を理由に離婚する場合、配偶者や不貞相手に対して慰謝料請求ができます。不貞は民法上の「不法行為」に該当するからです。慰謝料の相場は100300万円程度です。(不貞慰謝料と離婚慰謝料で異なる場合があります。)

 

ただし不貞を理由に離婚や慰謝料請求をするためには、不貞の「証拠」が必要です。今日では、不貞の慰謝料否定説が学説で通説であることの影響を受けて裁判所が認容する幅をなるべく狭めようとしていると考えられます。この点は各裁判所で大きく考え方が異なる場合もないとまではいえません。

メールや写真、LINEなどの記録や通話明細、GPS記録などいろいろな証拠が考えられますが、できるだけ直接的に相手方らの「肉体関係」を証明できるものであることが重要です。

 

4.暴力について

次に女性が離婚したい理由で多かった「暴力」について考えてみましょう。

暴力は、明らかに相手に対する不法行為です。配偶者への暴力であっても悪質な場合には傷害罪が成立しますし、被害者が死亡したら傷害致死罪や殺人罪になります。

そこで暴力を受けているならば裁判でも離婚できますし、相手に慰謝料も請求可能です。慰謝料の額は、当事務所では150万円から200万円程度が多いのではないかと経験的に考えています。

ただし「婚姻期間中に一度だけ平手打ちされた」だけのケースなどでは、暴力が離婚原因とまで認められない可能性があります。DVで離婚や慰謝料を求めるには、ある程度悪質で継続的な暴力があったことが必要ですし、その証明もしなければなりません。特に、別居時に散発的に起きる暴力はSIVと呼ばれ、日頃からのモラハラ的な支配的DVとは区別される必要があるといえます。

たとえば暴力を受けて怪我をしたときに撮影した写真や、そのときに病院にかかり医師に作成してもらった診断書などを用意しましょう。

DVの場合の慰謝料相場は、だいたい100200万円程度です。

 

5.浪費について

配偶者が浪費するので離婚したいと考える方も、男女ともに多数です。とはいうものの、実際は家計の主導権を争う問題が浪費に投影されて離婚原因になっているケースもないわけではないと思います。

経験的に男性は「妻が家計管理できない」と考えていることが多く、女性は「夫が遊興費などに無駄遣いする」と不満を持っていることが多いです。

また男女ともに、相手がサラ金やカードローンなどで秘密の借金をしていたことがショックで離婚したいと考えるパターンもあります。こういった点が葛藤のポイントになりそうです。

 

ただし、浪費は基本的に法定離婚理由になりません。相手が借金をしたり家計管理能力がなかったりしても、訴訟で離婚を認めてもらうことは困難です。相手の浪費が原因で離婚したいなら、できる限り協議離婚や調停離婚を目指しましょう。

ただし相手が健康なのに働かずパチンコやギャンブルにはまって浪費ばかりしている場合には「悪意の遺棄」という法定離婚理由が認められる可能性があります。その場合には慰謝料も請求可能です。ただ、離婚に牽連されて破産するケースもありますので、浪費が原因の場合現実に慰謝料が回収できるかは別問題となりそうです。

 

浪費家と離婚する場合には、家の財産が使われ尽くされていて財産分与がなかったり慰謝料請求しようにも取り立てる方法がなかったりして、金銭的な賠償を受けられないケースもみられます。そういったリスクをなるべく抑えるため、仮処分や離婚協議書の公正証書化など、いろいろな工夫をする必要があります。

 

 

離婚を望む場合には自分がどういった理由で離婚を希望しているのか明らかにして、その理由で裁判になったとき離婚が認められるのか、慰謝料を請求できるか、離婚原因についての証拠は揃っているかなど検討しておくべきことがたくさんあります。つまりいきなり調停を起こしても離婚原因がなければ法的に離婚は認められず調停でも相手にされない可能性がないとまではいえません。1人で考え込むよりも法律の専門家である弁護士に相談した方がスムーズかつ有利に進められるので、まずは一度、弁護士までご相談下さい。

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