離婚協議、離婚調停、裁判(訴訟)は弁護士へ相談!依頼するメリットをパターン別に解説
夫婦の間で離婚の話が起こったとき、自分たちだけで話し合うとトラブルになりがちです。相手が離婚に応じてくれないケースもありますし、財産分与や慰謝料などのお金の問題でもめてしまうケースもあるでしょう。小さいお子様がいる場合、親権者も決めなければなりません。
当事務所では日頃から、離婚調停や訴訟になり、自分1人で進められるのか不安に感じている方からのご相談を多数お受けします。
今回は、離婚協議、調停や訴訟で困ったときに弁護士に相談・依頼するメリットを解説していきます。離婚トラブルでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.協議離婚を弁護士に依頼するメリット
協議離婚の場合、夫婦が2人で話し合い合意すれば離婚できます。「離婚届」を作成して役所に提出するだけで離婚が成立するので、難しい手続きは不要です。「弁護士は要らないのでは?」と考えるかもしれません。
しかし実際の協議離婚の場面では、離婚届を提出するだけではなくいろいろなリスクが発生します。また、夫婦間の力関係がそのまま協議離婚の場に持ち込まれてしまい、法的に不利な条件を飲まされてしまうケースもあります。弁護士に依頼するまでの相手方から来たメールやLINEには、脅しのような文言が並んでいるケースもありますので、まずはそうした不当なものをシャットダウンしたうえで冷静に協議の条件や離婚後の経済的自律や精神的自律を考える機会が生まれるという点が大切だと思っています。
1-1.協議離婚のリスク
離婚条件が明らかにならず、後日トラブルになる
自分たちだけで協議離婚する場合、養育費や財産分与などの諸条件について明確に取り決めないケースが少なくありません。そうなると、離婚後に養育費調停や財産分与調停、慰謝料請求訴訟などが起こってトラブルの蒸し返しになる可能性があります。
私たちは、離婚後紛争も扱いますが、特に離婚後2年後に財産分与調停が起きたり、また、毎年のように、養育費増額調停を起こされたりして苦しんでいる方もいます。
これらは、調停や公正証書を離婚時に作成しておくことで相当数防止できるものです。
これらトラブルを防ぐために、首都圏では、離婚や相続では弁護士を通すことが一般的になっています。
約束を守ってもらえない
離婚時に養育費や財産分与などの取り決めをしても、相手が守ってくれるとは限りません特に支払期間の長くなる養育費の場合、途中で払ってもらえなくなるケースが多々あります。特に「口約束」で済ませてしまった場合、約束を破られる可能性が高くなるので注意しましょう。
特に、離婚時、養育費と面会交流について、文書で合意を交わしているケースはなく、多くは口約束です。口約束であるため、離婚後に、その口約束の内容を具体的に証拠によって証明することには困難が伴うのです。
結果的に、相手方から「そんな約束はしていない」といわれて、合意を守ってもらえないということになります。
そもそも合意できない
協議離婚を成立させるには、夫婦がともに「離婚すること」に合意しなければなりません。
しかし、相手に離婚を持ちかけても応じてくれないケースが多々あります。そのままでは平行線となって、離婚は困難となるでしょう。
離婚には合意できても、親権や養育費、慰謝料などの離婚条件で合意できないケースもあります。
不利な条件を押しつけられる
離婚に関する知識が不十分な状態や相手のモラルハラスメントで立場的有利を失っている状態で相手と離婚協議を行うと、不利な条件を押しつけられるリスクが高まります。
相場より低い養育費の金額を設定されたり、本来慰謝料をもらえるはずなのにもらえなかったり、親権をとれるはずなのに相手に奪われてしまったり。特に親権をとれるはずなのに奪われている例をみるといたたまれない気持ちになってしまいます。
離婚協議に臨む際には、離婚についての法的知識を万全に取得しておく必要があります。
1-2.弁護士に依頼するメリット
協議離婚を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
相手を説得しやすい
相手が離婚に応じない場合や財産分与や親権などの点で無理な主張をしてくる場合、弁護士が対応すると効果的に説得できます。
相手としても「弁護士がついたら離婚に応じざるを得ないだろう」「法律で決まっているなら仕方がない」と考えるためです。
自分で対応するよりスムーズに離婚を進めやすくなるメリットがあるでしょう。
有利な条件を設定しやすい
弁護士は法的知識や交渉のノウハウを蓄積しているものです。依頼者のためにベストな解決を目指すので、代理交渉を依頼すれば自分で対応するより有利な条件を設定しやすくなるでしょう。
親権や慰謝料を勝ち取ったり、財産分与の金額を多くしてもらえたりするケースが多々あります。
相手との交渉を任せられる
協議離婚の交渉に自分で臨むのは大変なストレスです。仕事などに忙しく、離婚について調べたり返答を検討したりする時間をとりにくい方もおられるでしょう。
これは、弁護士依頼前に相手方から送られてきたメールやLINEの罵詈雑言の類を経験者から見せてもらえば分かることです。
相手が落ちた人だからといって、私たちも同じレベルで争う必要はありません。
弁護士に依頼すれば、相手との交渉を全面的に任せられます。自分で対応しなくて良いので、労力や時間を節約できますし、精神的にも楽になるメリットがあります。
離婚公正証書を作成して約束を守らせる
離婚後、約束を確実に守らせるには「離婚協議書」を作成する必要があります。それも「公正証書」にしておけば、より確実に内容を履行させやすい効果が付与されます。
弁護士が対応すると、ほとんどのケースできちんと離婚調停調書や離婚構成証書を作成するので、後に約束が守られやすくなって安心できます。
子どもに配慮した取りきめができる
子どもの親権者や面会交流は、親にとって非常に重大な事項です。それゆえ意見が合わず大きなトラブルになるケースが少なくありません。
しかし本当は、親の感情ではなく「本当に子どものためになるのは何か?」という観点から決めなければならない問題です。
弁護士が代理で交渉する場合には、依頼者の視点に立ちつつも「子どもにとって利益になる解決方法」を目指します。特に当事務所所長弁護士は、子どもの福祉に関心が高く、親権や面会交流の問題に非常に力を入れています。そうしたアドバイスも受けて充実した条項を設けることもできます。
子どもに配慮した取り決めができることも、弁護士に依頼するメリットといえるでしょう。
子どもが親の離婚によって不利益を受けないようにするため、小さいお子様を抱えているならお早めに弁護士までご相談ください。
2.離婚調停を依頼するメリット
次に離婚調停を弁護士に依頼するメリットを解説します。
2-1.調停の申し立てや裁判所とのやり取りを任せられる
離婚調停を進める際には、当事者がさまざまな手続きに対応しなければなりません。まずは調停申立書を作成し、必要書類をそろえて印紙を購入し、家庭裁判所へ提出します。その後、裁判所に行って自分の意見を伝え、相手からの返答に対しても再返答しなければなりません。
一般的には、婚姻費用分担調停は本人調停が多い印象もありますが、離婚調停は約6割ほど弁護士が代理をしていたり、継続相談などの形で弁護士の助言を受けていたりするケースがあるようです。
弁護士に依頼すれば、調停の申し立てや裁判所との日程調整などの手続的な面はすべて任せられます。相手の意見に対する返答も、弁護士が検討してくれるので自分で調べて対応する手間が省けます。労力や時間を節約できるメリットがあるでしょう。
2-2.安心して調停に臨める
はじめて離婚調停に臨むときには、多くの方が不安になるものです。
- 調停委員から何をいわれるのだろう?
- 心証が悪くならないように注意しなければ
- 相手から言われたことに、どう返答すればよいのか?
調停委員から伝えられた相手方からの回答に感情的になってしまう方も少なくありません。
弁護士がついていれば、事前に調停の雰囲気や仕組みを伝えられます。また「弁護士が味方になってくれている」安心感があるので、焦ったり不安を感じたりしにくくなるでしょう。
安心して調停に臨めるメリットがあります。
2-3.有利に進めやすくなる
弁護士が代理人になると、自分1人で対応するより有利に調停を進めやすくなります。
相手に対して回答をするときにも、今後の展開を踏まえてもっとも有利になりやすい回答内容を検討するものです。また弁護士が法的な観点から論理的に説得すれば、調停委員を味方につけやすくなります。
調停全体の流れとして、こちらに有利に展開しやすくなるでしょう。
結果的に親権を獲得できたり慰謝料や財産分与の額を増やしてもらえたり適切に年金分割してもらえたりして、有利に解決できる可能性が高くなるメリットがあります。
3.離婚裁判を弁護士に依頼するメリット
離婚調停が不成立になったとき、どうしても離婚したければ離婚訴訟を申し立てなければなりません。しかし離婚訴訟を本人が自分で進めるのは極めて困難です。
3-1.離婚訴訟を弁護士なしで進めにくい理由
訴訟では「法的な構成にもとづいた主張書面」を提出し、「法的な根拠となる証拠」を的確に提出しなければなりません。
法廷でみられるのは、一方が本人訴訟の場合、裁判官は不利益な認否を公判調書に記載していくというスタイルですが、それによりどのような訴訟進行になるか、効果も認識しないまま応答するのは相当ではありません。
素人では「どういった主張が有効か」「いつどのような証拠を提出すべきか」判断できないでしょう。そうなると、訴訟でどんどん不利になってしまいます。
本人訴訟では、そもそも裁判官や書記官から何を要請されているのかもわからない方が多数です。個人的には、本人訴訟をやっているものの、途中で弁護士が就き結果それまでの本人訴訟として進めた時間が無駄になっているという印象を受けました。
こういった状況があるので、訴訟になるとほとんどの方が弁護士に依頼しているのが現状です。
相手に弁護士がついているのにこちらが本人で対応すると、圧倒的に不利になってしまいます。最低限、同じ土俵で戦うためには必ずこちらにも弁護士をつけるべきといえるでしょう。
訴訟では、弁護士に依頼するメリットというより「弁護士に依頼しないデメリット(不利益)」が大きすぎるので、必ず当初から弁護士に依頼するようお勧めします。
3-2.弁護士に依頼すると、裁判所へ行く必要すらない
弁護士に訴訟を任せた場合、ご本人はほとんど裁判所へ行く必要がありません。主には弁護士事務所での2か月に1回の打ち合わせを充実して行うくらいということになります。
調停では本人も同行するよう求められるのが通常ですが、訴訟では本人尋問期日や和解期日くらいにしか、裁判所へ行かなくて良いのです。これらは訴訟を通じて1回程度です。
弁護士にすべて任せていれば自動的に訴訟を進められるので、労力や時間を大きく節約できるメリットがあります。
当事務所では、土曜に打ち合わせを行い、平日の離婚訴訟に備えるということで、会社を休まれることなく、離婚訴訟の準備をすることもできます。
3-3.和解のタイミングをつかみ、適切な内容で和解できる
離婚訴訟では、必ずしも判決になるとは限りません。途中で和解するケースも多々あります。
ただ裁判官が和解を勧告してきたとき、「受け入れるかどうか」の判断は簡単ではありません。また、そもそも、本人訴訟の場合に裁判官は心証の開示の意味を十分に理解してくれるか分からない本人に心証を開示することは少ないと思います。
このように和解についてはタイミングを見計らわないと、不利益を受ける可能性があります。また内容面でどういった和解を成立させるかも大切です。相手や裁判官の提案をそのまま受け入れるのではなく、こちらの意見を再提示して、検討しなければなりません。また、最後の詰めが甘く、離婚成立後面会交流で2~3年、訴訟をこじらせてしまうこともあります。
弁護士がついていたら、和解のタイミングや内容を適切に検討できるので、有利な条件で和解できる可能性が高くなります。
以上、離婚裁判を弁護士に依頼するメリットをまとめると、以下のようになります。
- 難しい訴訟手続きを全面的に任せられる
- 弁護士に任せれば、ほとんど裁判所に行く必要がない
- 有利に進められる可能性が高まる
- スピーディに訴訟を進められる
- 和解のタイミングをつかみ、適切な内容で和解しやすくなる
4.離婚を依頼する弁護士の選び方
弁護士は、分野によって得手不得手があるものです。離婚について相談・依頼するなら、離婚分野に専門的に取り組んでいる弁護士を選びましょう。
当事務所では、設立以来離婚案件に非常に力を入れています。所長弁護士は親権や養育費、面会交流などの「子どもの問題」に関心が高く、電子書籍も発行しています。所属弁護士は財産分与のお金の問題を得意としています。
費用につきましても、安心してご依頼していただきやすいよう、リーズナブルな設定とさせていただいています。名古屋を含む東海地方にて対応しておりますので、離婚を進められるなら、まずはお気軽にご相談ください。