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片親疎外

子の監護をめぐる紛争において、議論の的になっているのは片親疎外、要するに一方の親からのこどもの疎外の問題である。

深刻な疎外において、子が一方の親との交流に抵抗し拒絶すること、そして、現実とは不釣り合いな言葉遣いでその親に関する不満をいうものだ。

一方、中レベルの疎外では、一方の親と過ごした時間について、他方の親に不満を言いつつ、養育計画(面会交流のこと)は受け入れ続ける場合もある。審判や訴訟が行われている場合、嫌われている、または拒否的な親は、好かれているまたは気に入られている親が、以前の親子関係を妨害する洗脳的な行動をしていると主張することがある。

ワーレスタイン&ケリーが不適切な同盟と記述して以降、ガードナーが「片親疎外症候群」と名付けた。

片親疎外症候群はPASと呼ばれている。

1、 以前に虐待、ネグレクト、ドメスティックバイオレントがなくなったのに、こどもが嫌われている親をしつこく拒絶する。
2、 子がかたくなな白か黒かの二者択一滴な態度で親が抽象し、そのことに後ろめたさや自責の念を見せない。
3、 好かれている親が、このような行動をそそのかす、援助する、止めさせようとしない
というものだ。
 もっとも、PASには、詭弁といっても構わないくらいの定義が乱立している。主に男性サイドと女性サイドの意見といってもいいと思う。
 ケリー&ジョンソンは女性サイドの立場から、一緒に住めば同居親に親近感を抱き非監護親は疎遠になっているにすぎない、という理屈を述べる。
 わかりやすく言うと女性サイドの立場から、婚姻中や別居中の辛い経験をしたためにこどもが嫌っている親との交流を合理的に嫌がったり、恐れたしていることの現れというわけである。しかし、このように考えると、面会交流は子の情操に資するために行われるのであるから、それに資さない特段の事情がある場合に該当してしまう場合は、子と親の安全を最優先に考えるべきだ、という論理になりやすい。
 こうしたPASは、10から20パーセントが一般論なのだが高葛藤家族に限定するのに、70パーセント近くが面会を拒絶するまでは至らないものの抵抗し、その他は、完全に会えないという状況のようだ。

伊藤勇人弁護士と藤崎十斗くんとのパースペクティブ
伊藤勇人弁護士:十くんは、この中だとどれになるのかな。
十斗:うーん。「高葛藤」ではないような、「高葛藤」のような・・・。マサヤはさ。離婚したパパとママの間で、行き来があるんだよね。
伊藤勇人弁護士:まあ、マサヤのママさんの藤間さんは男っぽいというか、サバサバしているもんね。
十斗:悩みますけど(笑)、僕は、仲がいいと思っていませんし、ママの親族とも会いたいと思っていません。だから、「高葛藤家族」ですね。
それで、面会拒否の程度ですが、えへへ、プライバシーですよ。でも、僕、ママいなくなっちゃたんだ、ママと元通りの生活をすることはないんだ、って聞いて、分かって、不倫のインスタいちゃって、これですね、「一定期間完全に拒絶している」かな。
伊藤勇人弁護士:でも、離婚したんだから、ボーイフレンドがママにできてもいいじゃない。
十斗:マサヤのママは、「はい、東京で仕事のチャンスがあります。さようなら」とサバサバしてて、そういうんじゃないと思うんですけど、僕は捨てられた感が結構あったし、インスタもすごい不潔に思いました。パパは僕のアイパッドを隠してみれなくしてたけど、僕は、パパのアイフォンでみちゃった(笑)。
伊藤勇人弁護士:でも、ママは、「一番会いたいのは息子」っていってくれているんだよね。
十斗:うーん、直接聞いてないのでわかりません。それを裏付ける何かがあるかがあるより、寄宿舎に僕を入れようとしてたこととか、疑心暗鬼の方が大きいんですよね。
伊藤勇人弁護士:十斗は、ママと和解したいの?なんかさ、怒りが込み上げてきたとしても怒りながら泣いてもいいような気がするけど、心、ブロックしているだろー。
十斗:シュシュとパパ、勇人さんが、内省的な人だからなあ。そんなにブロックしていないですよ。オープンマインドのつもりなんだけどなあ。僕、今、フランス語1番だし、性的な逸脱もないよー。スラムダンク呼んで健全にスポーツしているし。和解は、今が楽しいから、僕はしなくていいかな、って・・・。正直、パパも大好きだけど友人と一緒にいる時間がとても楽しいんだ。
伊藤勇人弁護士:パリの家庭法院から、面会交流のセラピーを受けろって召喚状が届いたらどうする?(笑)
十斗:うーん。やっぱり、パパと勇人さんは「会っておいた方がいいよ」というし、フランスでは受け渡しの拒否で逮捕や容疑者扱いされてしまうのは嫌だしなあ。シュシュは、一緒にいきたいとかノー天気なこといってくるくらいだし、僕の心が固いのかなあと感じさせられることもあるので、そういう機会があれば受けると思います。でも、矛盾してますよね。高葛藤の方が家庭内に共通の敵ができてこどもは安定しやすいわけでしょう。対して低葛藤の場合は安定しないといわれてしまう。ところが、いざ面会交流の場合、安定しているはずのこどもが頑なに転じるわけだから、それって本当に精神的に安定しているの、と感じます。
 でも、今は、自分の意思じゃないんですけど、信頼できる周りの人の意見を取り入れて、抵抗しつつも会ってますから、PASっていわれるほどじゃないですよ。わざわざ日本からパリまで来てくれているので、ある程度は時間をとっています。
伊藤勇人弁護士:ある程度って?
十斗:うーん、2時間くらい?今更パリ観光でもないしね。自宅があるバスチーユのそばではなくて、まあ、ママが好きなシャンゼリゼの方のお店に連れてかれることが多いかな。一度だけ、すったもんだのすえ、モンサンミッシェルに付き合いました。疲れました。
 たしかに、年少のこどもでも、両親と愛着を形成でき、スケジュールが不規則ではなく、両親のどちらも思いやりがあり、愛情に満ちている限り、両親のどちらとも定期的な交流を持つことはいいことだと思います。ただ、ママは東京に住んでいるわけだし、僕のオリジンは福岡だし、うーん、なかなか渉外家事ということもあって、距離感が愛着に与える影響があるんだと思いますね。
伊藤勇人弁護士:だから、突然、遠方に別居というのは、こどもの立場からもやめてほしいということですね。
十斗:はい。

片親疎外が行われている場合、日本において、一般の面会交流事案として扱われたり、あるいは、DV事案として扱われたりということがある。
そういう意味で、PASについて、原則実施説の立場からすると、こどもにどのようなセラピーをしていくのがよいのかということを検討する必要があると思われる。

伊藤勇人弁護士(愛知県弁護士会)

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