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アタッチメントは母親との関係でしか論じられていなかったといっても過言ではありません。

父親との関係ではどうなるのでしょうか。

こどもが4歳未満に死亡したり離婚したりしていなくなった場合,こどもの愛着は安定せず,愛着回避,愛着不安の傾向がみられるようになります。

また、いじめや差別的取扱いを受けて育ったこどもとでは愛着スタイルが異なるものと考えられます。

したがって、統計的なものなのですが、父親不在ということ自体はアタッチメントにネガティブな影響を与えます。仮に離婚した場合であっても,面会交流を通じて父親とのアタッチメントを確保したり、周囲の祖父母などの大人から守られて育つこともは愛着が安定しやすいといわれています。母子家庭の問題として,こどもの親権にこだわってこどもを監護することになったのはいいけれども,母親がなれない仕事をはじめて自宅ではイライラして,それゆえに周囲の大人から守られず孤立化していくこどもたちの存在というものもあります。

子の奪い合いというケースではこういう精神医学的機序からも考えてみる必要があるでしょう。

結婚は,実は,人生の中で人間の愛着スタイルが変化するタイミングといえます。

もともと愛着、つまりアタッチメントが安定していた人、愛着回避の人、愛着両価値の人、愛着混乱の人に結婚をきっかけに変わってしまうというのです。

基本的には,安定者同士が結ばれると,アタッチメントが良好というものではなく,相互補完関係が必要のように解されています。

さて,あなたが結婚して不安定な愛着スタイルしか持っていない場合,当人自身が不安定になってしまうということがあります。ヘミングウェイのそれのように。ヘミングウェイはもともと母親との確執がある作家ですが,婚姻と離婚を繰り返したことは,ヘミングウェイとの愛着関係が長続きしなかったことにあると理解されます。私見によれば,ヘミングウェイの最初の妻はハドリー夫人なわけですが,彼女とヘミングウェイは似た者同士だったためにひきあったという面が否定できません。ハドリーの父は自殺し母も偏執な人物でした。しかし,ヘミングウェイが、ポーリン夫人と浮気をして離婚することになります。そしてヘミングウェイはポーリン夫人と再婚します。さらにはポーリン夫人も浮気し,それぞれが浮気し合うという状況になりました。結局、婚姻において,心の安心基地、それはいわば無償の愛というものかもしれません。ヘミングウェイの最後の妻は、メアリー夫人でしたが、優しく忍耐強い女性と評価し,結婚生活を安定させたものにしたといわれています。

愛着安定の人と愛着不安の人の方が意外と相互補完関係に立つ可能性もあるのです。

ほぼ10代には確立された愛着スタイルが変化するのが結婚したときなので,その愛着スタイルの変化が激しすぎる場合、受け止めきれずに離婚という機序もあるように思います。

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