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HOME > 親権に関すること > 離婚訴訟係属中の夫婦間の子の引渡し審判

弁護士に依頼をすると、早急な子の引渡しを求める場合は非訟手続の子の監護者指定・引渡しをすすめられることが多くなっています。

以前は、これに、子の引渡しの仮処分と同義である審判前の仮処分をつけることが多くなっていました。

しかし、審判前の仮処分は、人身保護法の代わりということになったことから、次第に要件が厳しくなり本案が認容されても保全の必要性は否定される例がみられます。

その背景には、こどもの引渡しは望ましくなく、数次の執行は避けるべきという観点が含まれています。

福岡高裁平成20年1月11日は、家事審判事項説が採用されており、この判例も同説に立脚していますが、離婚後の子の監護に関する規定である民法766条説が通説的見解を占めるようになりました。

そして、親権者が共同で親権を行使することが困難な場合は、民法766条1項説から、監護者指定の審判をすることができることになります。

しかし、審判前の保全処分同様「しぼり」をかけているのがポイントです。審判前の保全処分は、処分が先行し本案審判の結論が異なる場合や抗告審が真逆の判断をするという懸念でしたが、かかる懸念は現に離婚訴訟が成熟している段階では同じ利益考量にあると解するのが相当であると解されます。

したがって、裁判所は、審判前の保全処分では二重のしぼりをかけていましたが、本案でもしぼりをかけている例といえます。具体的には、子の福祉の観点から早急に子の監護者を指定しなければならず、離婚訴訟の帰趨を待っていることができないような場合に限られるとしています。ここでポイントは、単に父母が共同で監護することが困難な事情があるだけでは、監護指定等の審判はできないと判断していることです。

以上より、離婚が確定する前に子の監護者を指定するに際しては、慎重な態度であるべきとの考え方もあるのです。

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