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最近の裁判官の間では、離婚慰謝料は離婚原因慰藉料、特に不貞と暴力のみに慰謝料が限定されるように思われます。

離婚原因の有責性を主張するため、様々な主張をするにしても、裁判官から「そうはいっても慰謝料までは発生しません」と離婚訴訟では指摘されることがあります。

個人的には、これも、いわゆる離婚慰謝料否定説ないし不貞の慰謝料否定説の学説の影響を受けているのではないか、と考えています。

さて、請求の仕方には2つあります。

一  夫婦間に個別に生じた生命、身体、名誉等の権利利益の小恋の侵害行為を独立の不法行為としてこれに対応する慰謝料等の権利利益の小恋の侵害行為を独立の不法行為としてこれに対応する慰謝料を請求する個別慰謝料請求

 明晰にいうと、離婚原因慰謝料ではなくても離婚に伴い慰謝料の場合でも個別的に不法行為をカウントしていくという方法が考えられます。もっとも、現在の実務では公刊物をみてもほとんど見当たりません。

二 相手方の有責行為による離婚を余儀なくされたことを理由として慰謝料を請求する離婚慰謝料

 一般的に離婚に伴う慰謝料は有責性に伴うものなのですが、私なりの経験では、「主として、又は、専ら」有責という主要目的ルールにより判断されるような気がしています。

 つまり、喧嘩両成敗のようなイメージの場合は、離婚に伴う慰謝料はどれだけ主張しても無駄、ということになります。弁護士の中にはこれを主張することが良い弁護士だと共産党の弁護士は述べているところがあります。しかし、実際は、葛藤状態を無駄に高めれるばかりか、このような応酬が続くと弁護士同士の葛藤も生じ始めます。したがって、離婚に伴う慰謝料のため詳細な聴き取りをする弁護士は「こじらせ」弁護士であることが多いでしょう。

三 実は、今日、不貞訴訟の尋問をしましたが、相手方もなかなか手ごわいやーさんのような弁護士でした。ところで精神的苦痛って言葉でいうのは簡単ですが分析すると何なのでしょうか。

 だんだんお料理のガストロミーのような話しになってきましたが、殴られたなどの個々の有責行為から生じる精神的苦痛があります。これが普通の慰謝料でしょう。

 しかし、これと同一の事実を原因とするが離婚へとは発展する契機となる精神的苦痛による慰謝料ですが、まあ不貞などがこれに当たり得るでしょう。

 そして、離婚という効果そのものから生じる精神的苦痛による慰謝料という「離婚自体慰謝料」という概念も提唱されているようです。もっとも、離婚自体慰謝料は「新しい」議論というよりは克服された「古い」議論で、離婚するなら当然慰謝料が発生する時代はもう終わったといえると思います。一般的には、性的充足、情緒的安定、子の将来への危惧、将来の生活不安、社会的評価の低下というものがあるのですが、性的自由の観点から性的充足は根拠にできませんし情緒的安定のためにむしろ離婚すべき場合もあります。また、子の将来への危惧というのは、フェミニストなど党派的な弁護士と一般の弁護士との対立が大きいように思います。そして、こどもの招来や生活不安は不貞の慰謝料で考慮されていることでもありますから、不貞の慰謝料の焼き直しという側面もあると思います。

 個別慰謝料請求は、不法行為に基づく損害賠償請求そのものである。個別慰謝料請求に当たって、当事者は通常の不法行為と同様、各不法行為ごとに日時、場所、態様を他と明確に区別して具体的に主張する必要があるのですが、家庭の事件の場合、これがなかなか簡単ではありません。裁判所が精緻な特定を求めると、どうしても特定する側も無理をしないといけなくなってしまいます。
 私に探偵調査資料の提出の使い方にいちゃもんをつけてきた川井(仮名)という弁護士さんがいましたが、これも裁判所が識別説を刑事と比較して厳格に解しすぎているからではないか、と思います。

 現在実務では離婚慰謝料が圧倒的ですが、中身は不貞か暴力がないとダメという個別慰謝料請求に近くなっています。したがって、個々では不法行為を構成しないが、不可分一体とみると不法行為を構成すると損害賠償ができるという考え方なのですが、現在の実務では採用されていないと思います。最高裁昭和31年の事例ですが、事案も重大な侵害行為といえる暴力等の虐待行為が認定された事案で、普通に離婚慰謝料が認められるものといえます。

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