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HOME > 離婚の手続き・流れについて > 親権者指定及び財産分与について協議なく8カ月後の離婚届の効力

 本件は、妻が離婚届出手続をした離婚協議について、妻が夫に無断で、夫の意思に基づかないで、届出をしたものであるから、その後同居があったとしても別居後夫において離婚意思の変動が認められない事情では、夫婦双方に離婚意思及び届出意思の合意を認めるのが相当である、とされた裁判例があります。

 本件では、裁判例が、署名押印時に離婚の合意の成立を肯定した点が注目されます。

 特に、届出書の署名が偽造であるとか,届出書の提出が自らの意思に基づくものではないなどとするXの主張は,Yの抗弁に対する積極否認というべきです(東京地判平16.6.28〔平15(タ)412号,平16(タ)71号,平16(タ)177号〕)。

 本件の控訴審判決は,原審の事実整理を引用しており,その説示において上記のような請求原因,抗弁,これに対する積極否認という整理の形式を採っていないが,その判断の枠組みは,抗弁の成否を争点とし,届出書の署名がYの側で偽造されたものであるとするXの積極否認の主張を排斥し,これがXの自署によるものであり,Xはその提出をYに委ねたとするYの抗弁(双方の届出意思の合致及び双方の意思による届出)を理由ありとした(この認定に際し,間接事実として,離婚意思の存在が認定されている。)ものと理解することができます。

この点において控訴審判決に目新しい点はない。なお,本件においては,届出書の作成当時,親権者の指定や財産分与に関する具体的な話し合いがされていない等の事情があったため,控訴審判決は,Yの主張に係る抗弁事実の認定に当たり,上記要約のとおり,届出書作成に至る経緯,届出が遅れた事情,とりわけ,ためらっていた届出を実行するに至ったYの心情の変化に関する事実経過を詳細に認定し,そのような事実経過の下においては,上記事情の存在をもってしても届出意思を認めるに妨げないことを判示したものであり,類似事案の参考になります。

★ 東京高決平成21年7月16日判タ1329号213頁

1 争点について
(1) 被控訴人は,本件署名(甲3)は自分がしたものではない旨主張し,その筆跡が自分のものとは異なる旨指摘する。

 しかしながら,弁論の全趣旨により被控訴人自身の筆跡であることが認められる各書面(甲5ないし8)の同人の署名や原審及び当審の訴訟委任状に記載される同人の署名と本件署名とを比較検討すると,・・・本件署名は被控訴人自身により自署されたものと認めることができる。
 したがって,上記記載の事実経過及び控訴人の原審本人尋問の結果によれば,被控訴人は,平成19年1月5日当時,自ら署名と押印をしており,控訴人にその届出をゆだね,控訴人もその日のうちに署名押印したものと認めることができる。これに反する被控訴人の原審本人尋問の結果部分及び陳述書(甲10)の記載部分には本件の基本的な争点である本件署名の真正について虚偽があるといわざるを得ず,離婚意思及び届出意思の存否に関する部分はこれを採用することができない。そうすると,被控訴人は,同日当時,控訴人との離婚意思及び届出意思を有していたことは明らかである。
(2) 前記前提事実のとおり,控訴人は,わずかながらも被控訴人が定職に就いてくれれば離婚しなくてもよいと期待していたために同年10月1日まで本件届出をすることがなかった。
 証拠(乙7,控訴人の原審本人尋問の結果)及び弁論の全趣旨によれば,その間,控訴人の期待どおりに事は運ばず,被控訴人と控訴人の婚姻関係は改善されず,かえって,同年9月には借入金や滞納税の支払に充てるため夫婦の自宅(土地は双方の共有,建物は被控訴人の単独所有)を9500万円で売却してその支払に充て,残った代金を双方が分割取得した上,被控訴人はこの資金で新たに単独名義の自宅を取得してこれに居住し,控訴人はアパートを借りてこれに居住し,以後別居状態となるなど生活状況が控訴人の上記期待に反して激変したことが認められる。他方,被控訴人から控訴人に対し離婚の届出をしないようにとの申出があったことは,本件全証拠によるも認められない。
 したがって,被控訴人の離婚意思に変動は認められず,本件届出当時,被控訴人は,離婚の意思及び届出意思を有していたものと認めるのが相当である。
(3) なお,控訴人と被控訴人は,本件届出の前に三男の親権者を誰にするかとか,自宅の売却代金の分配を除く財産分与の協議をした形跡はないが,本件届出用紙に被控訴人が署名押印するに至った前記認定の経緯にかんがみれば,被控訴人は三男の親権者の指定を控訴人にゆだねたものと認めるのが相当であり,財産分与についても,被控訴人が離婚時にすべてを解決することまで考えていなかったことによるものとも考えられるから,これらが上記の認定判断の妨げになるとはいえない。

 また,控訴人は,被控訴人が本件署名をした日以降も本件届出をしておらず,控訴人自身が届出を決意するまでの間,被控訴人が定職について働いてくれれば離婚しないでもよいとして,そのように被控訴人の生活の好転を期待する気持ちをわずかながら残していた面があったことは前記前提事実のとおりである。

 しかし,控訴人の原審本人尋問の結果及び陳述書記載によれば,そのようにも考えて本件届出をしないでいたのは,当時三男の高校卒業や長男の結婚を間近に控えていた上,同年8月までは実母が存命であったことなどにより離婚届を提出することをためらっていたこともうかがい知れるところであるから,控訴人の上記の対応をもって,同年1月5日当時に協議離婚の合意が成立していないとか,成立した合意を双方が翻したと判断するのは相当でない。

 2 以上によれば,本件届出については,被控訴人及び控訴人の双方に離婚意思及び届出意思を認めることができるから,被控訴人の本件請求は理由がなく,これと異なる原判決は相当でない。

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