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 家計の管理を妻に任せている場合、夫は給与振込口座などの動きを把握していないというケースも名古屋市ではめずらしくありません。

 つまり、家にいくら預金があるのか、よく分からないという人も中にはいるのです。

 しかし、子連れ別居などされると、夫は経済的にも窮地に立たされるというのが、現状です。

 ひどい場合ですと「自分名義」の預貯金がどこにあるのか分かりませんといって、当方で調査することもあります。

 妻にこれを隠されたり、妻や妻の妹名義の口座に隠されたりすると、離婚では手も足も出ないということもあります。

 ですから、パートナーなのですから協同関係ということで定期的に自分の預貯金、有価証券、負債などを確認しておくことが必要です。

 1 婚姻費用の算定
   婚姻費用の算定にあたっては、別居後の使い込みについては考慮されることが私の臨床経験では多いのであきらめずに主張するべきです。
   なお、別居前の婚姻費用の算定にあたり、妻が、持ち出した預金を考慮した判例はあります(札幌高裁平成16年5月31日)。

 2 問題点
 もっとも、一般的には、権利者が、別居時に夫婦の共有財産である預金等を勝手に引き出して持ち出していたとしても、この持ち出し金は、基本的に財産分与で考慮されるべき問題であり婚姻費用の算定にあたっては考慮しないというのが一般的です。そもそも算定表はストックを基本的に考慮することなく、フローに基づいた算定をしています。
 もっとも、何でも財産分与といいますが、有責配偶者であったり、他方に離婚の意思がない場合、ストックがマイナスになる場合などは、はっきりいって持ち逃げ得となります。したがって、理論面はよくわかりますが、臨床ではそううまくいかないので運用の改善を求めたいものです。

 3 財産分与
 財産分与では当然考慮されなければ衡平に反します。基本的には持ち戻しをするということになると思われます。しかし、上記2で述べたとおり、お金が妹やこどもの口座に移転されるなどして強制執行することができないことも多く、婚姻費用での清算が望まれます。

 4 自己予防
 男性としては、なるべく、生活費口座と貯蓄口座を分かれておき、貯蓄口座については、すぐに男性名義にしておきすぐに口座を凍結しておくなどの事前予防対策をすることも大切です。

札幌高裁平成16年5月31日
 (1)原審判1頁23行目の「名義」を「持分」と,同頁24行目の「母親の所有」を「相手方とその母親の共有(持分は各2分の1)」とそれぞれ改める。
 (2)同2頁18行目の[預金を持ち出しており」を「共有財産たる約700万円の預金を持ち出しており,その中から引越費用,住宅ローン(年2回のボーナス月は19万3533円,その他の月は6万1924円)の支払を行ったため」と改める。
(3)同3頁18行目の「しかるに」から同頁25行目の末尾までを次のとおり改める。「ところで,相手方は,原審判がされた平成16年2月6日時点で抗告人と相手方の共有財産である約550万円の預金を管理しているのであるから,相手方の生活費に充てるためにいつでもこれを払い戻すことができる状態にあるということができる。そして,本件記録によれば,抗告人も相手方が上記預金から払戻しを受けて生活費に充てることを容認していることが認められる。このように,相手方が共有財産である預金を持ち出し,これを払い戻して生活費に充てることができる状態にあり,抗告人もこれを容認しているにもかかわらず,さらに抗告人に婚姻費用の分担を命じることは,抗告人に酷な結果を招くものといわざるを得ず,上記預金から住宅ローンの支払に充てられる部分を除いた額の少なくとも2分の1は抗告人が相手方に婚姻費用として既に支払い,将来その支払に充てるものとして取り扱うのが当事者の衡平に適うものと解する。
 相手方は,夫婦共有財産があるとしても,それは離婚時に清算すべきもので,抗告人の婚姻費用分担義務はなくならない旨主張するところ,確かに,夫婦共有財産は最終的には離婚時に清算されるべきものではあるが,離婚又は別居状態解消までの間,夫婦共有財産が婚姻費用の支払に充てられた場合には,その充てられた額をも考慮して清算すれば足りることであるから,相手方の主張は理由がない。しかして,平成16年2月6日時点で相手方が管理している預金約550万円は,相手方が上記預金から住宅ローンを支払っていることを考慮に入れても,相手方が請求する平成15年11月分から現在までの月7万円の婚姻費用の分担額を優に賄うに足りるものであるし,当分の間は抗告人が負担すべき婚姻費用の分担額に充て得るものである。したがって,現時点においては,抗告人には婚姻費用分担義務はないというべきであるから,相手方の本件申立ては理由がない。」
3 よって,原審判は不当であるからこれを取り消して相手方の本件申立てを却下することとし,主文のとおり決定する。(裁判長裁判官 坂本慶一 裁判官 北澤 晶 石橋俊一)理   由第1 申立ての趣旨相手方は,申立人レこ対し,婚姻費用として,毎月相当額を支払え。

(原審)

1 本件及び関連事件(当庁平成15年(家イ)第0○号)の各記録によれば,以下の事実が認められる。(1)申立人と相手方は,平成9年6月20山婚姻の届出をし,長女(平成12年2月6日生)及び二女(平成14年6月12日生)をもうけ,現在,別居中の夫婦である。なお,申立人と相手方との間ケこは,申立人の母親と同居する目的で購入した自宅が存在している(その名義は,相手方が2分の1,申立人及びその母親が各4分の1となっており,自宅の底地は母親の所有となっている。)。(2)相手方は,申立人の母親との同居が不仲の原因となっていると考えていたため,申立人の母親と別居すれば,申立人とやり直せると思い,平成15年5月1911,当庁に夫婦関係調整(円満)の調停を申し立てた(当庁平成15年(家イ)第○○号)。(3)これケこ対し,申立人は,既に相手方と離婚する意思を固めていたため,円満調整を拒否するとともに,自宅から早期に引っ越すよう相手方に求めた。ところが,相手方ぱこれを拒絶したため,申立人は,平成15年10月30日ころ,自らが自宅から退去し,以後,申立人と相手方は別居している。(4)また,申立人は,別居に先立ち,平成15年10月16F1,本件審判移行前の調停を申し立てた。ところが,相手方は,申立人が勝手に家を出ていったのだから婚姻費用を支払う義務はない,また,申立人は多額の預金を持ち出しているのだから,婚姻費用を支払う必要性も緊急性もないなどとして,婚姻費用を支払うことを拒絶したため,本件は審判に移行した。(5)ア 申立人は,相手方との別居後,札幌市内に部屋を借り,母親及び子らと4人暮らしをしている。なお,申立人の母親は障害者であるため,その稼働能力はない。イ 申立人は,病院で稼働しており,平成15年の年収は249万6524円であった。ウ 申立人は,別居に際し,夫婦で築き上げた預金を持ち出しており,本件審判時点で約550万円を管理している。なお,従前は,申立人と相手方が購入した自宅のローンは,相手方が支払っていたが,現在は,相手方が支払を停止しているため,申立人が管理している前記預金の中から住宅ローンの支払がされている。(6)ア 相手方は,自宅で一人暮らしをしている。イ 相手方は,生活協同組合で稼働しており,平成14年の年収は433万9263円であった。

2 以上のとおり,申立人と相手方は,別居中の夫婦であるところ,本件記録を精査しても,申立人が別居の原因を一方的に作出した有責配偶者であるとは認められないから,より収入の高い相手方は,申立人に対する婚姻費用分担義務を負うというべきである。3そして,婚姻費用の分担額は,税法等や統計資料に基づいて推計された公租公課,特別経費及び職業費の標準的な割合や,平均的な生活指数を参考にして算出されるべきであるところ,本件においては,同割合を修正すべき特段の事情も認められないから,同割合を参考にし,婚姻費用分担額算定の基礎とすべき申立人の基礎収人は,その年収の41.00パーセントである年102万3574円と,相手方の基礎収入は,その年収の40.26パーセントである年174万6987円であると定めるのが相当である。そして,申立人世帯の牛活指数を210と(申立人を100,子らを各55とした。なお,相手方は申立人の母親に対する生活保持義務を負わないため,申立人の母親は考慮に入れていない。),相手方世帯の生活指数を100と仮定すると,申立人世帯に配分されるべき生活費は,双方の基礎収入の和に310分の210を重じた額となるから,その額は年187万6831円となる。したがって,申立人世帯には,年85万3257円の生活費の不足が生じることとなるから,相手方は,申立人に対し,月7万円(1万円未満切捨)の婚姻費用を分担すべきというのが結論となる。しかるに,相手方は,これを全く支払っていないのであるから,相手方には,別居の日が属する月の後の月である平成15年11月から起算して,本審判時点において,計21万円の未払が認められる。よって,これは即時精算させるのが相当である。4 なお,相手方は,申立人は,多額の預金を管理しており,生活費の不足分はその中から補えるのであるから,本件において,婚姻費用を定める必要性も緊急性もない旨主張するが,婚姻費用分担義務の性質にかんがみれば,かかる主張を採用する余地はない。

第3結論よって,主文のとおり審判する。

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