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同族会社の資産は財産分与の対象になるのでしょうか。

一般的には否定されており、会社の株式が財産分与の対象となり得るということで処理すれば足りるものと考えられています。そして、財産分与に法人格否認の法理や同族会社における否認処理のようなことはできないものと考えられています。

他方、医療法人などではよく問題となりますが、同族会社資産も財産分与の清算対象として、寄与度は5割として詳細な認定をして妻の取得分を3億2639円と算出し、不動産の分配等具体的な取得方法を命じた例があります。この場合は、ほとんど個人事業と同視できる程度のものであって、その稼働実績も同等であるなどの特殊事情が必要ではないかと考えられます。

したがって、この判例には一般性はないのではないか、と考えられますが、会社の資産と個人の資産は区別されているケースが多いのですが、同族会社であるからいちいち会社資産を清算の対象としていたら会社の経営ができなくなるとも考えられるとも考えられます。

この点、芸能人のように、一身専属性が強い場合で、チームではなくその人のみの魅力で成り立っている場合はマネジメントを除いて個人所得とするべきではないか、との議論はありますが、これを否認する適当な法律上の立論はないところと考えられます。

広島高裁岡山支部判決平成16年6月18日判時1902号61頁

第三 当裁判所の判断
 三 争点三について
 (1)《証拠略》によれば、一審原・被告らの資産形成過程、保有状況等について、次の事実が認められる。
 ① 一審被告は、自動車整備士二級の資格を有しており、昭和四四年ころから甲野自動車の名称で自動車の修理・車検業務等の仕事をしていたところ、同四六年ころ、一審被告の母親名義の土地建物が新幹線用地として買収されたことから、その買収代金等を母親から借り入れ、別紙財産目録第一の一三及び一四記載の各土地を購入して母親と兄の共有名義とし、その上に同目録一五記載の建物(自動車工場)を建築し、その後、上記買収代金等によって、別紙財意目録第一の一二記載の土地を購入し、同四八年ころ、同目録第一の二七及び二八(平成三年八月一日に分筆される以前の土地)記載の各土地を購入した。
 ② 一審原・被告は、昭和四八年七月一日に挙式した後、同年一一月七日に婚姻届をし、別紙財産目録第一の一五記載の工場の二階で生活を始め、先に認定したとおり、四名の子らをもうけた。このような中で、一審被告は、休みを取ることもなく自動車修理業を営み、一審原告も、本件婚姻後暫くしてから一審被告の仕事を手伝い始め、子らを保育園に預けるなどしながら、請求書の発行、管理、納品伝票の管理、集金の集約、管理等の経理事務を担当し、帳簿操作をして裏金を作ることもあった。
 ③ 一審被告は、昭和五一年ころ、別紙財産目録第一の三五及び三六記載の各土地を購入して一審原告名義で登記を経由し、同五三年ころ、同目録第一の一六及び一七記載の各土地を購入し、その上に同目録第一の一八記載の建物を建築し、同五六年ころ、同目録第一の二一ないし二三記載の各不動産を購入した。同目録第一の二一ないし二三記載の各不動産にはおかやま信用金庫の極度額金三〇〇〇万円及び金九八一〇万円の根抵当権二件が設定されているところ、同目録第一の二二及び二三記載の各建物は平成九年一一月以前に取り壊されており、同目録第一の二一記載の土地上には同目録第一の二四記載の建物(丙川社名義)が建築されている。
 ④ 一審被告は、昭和五六、七年ころから、自動車販売を中心とする事業を丙川社の屋号で開始し、その業務を一審原告に委ねたため、一審原告は、従前どおり一審被告の自動車修理事業の経理事務等を担当するほか、上記丙川社の業務にも従事するようになった。
 ⑤ 一審被告は、昭和六〇年ころ、別紙財産目録第一の二九ないし三一及び三八ないし四四記載の各土地を購入し、同六一年一月六日、丙川社を設立して一審原告を代表取締役に就任させ、同年四月ころ、丙川社名義で同目録第一の一九及び二〇記載の各不動産を購入し、ここへ自宅を移転した。また、一審原・被告は、上記①記載の同目録一二ないし一四、二七及び二八記載の各土地の取得資金に充てた一審被告の母親からの借入金を完済し、同六三年五月ころ、同目録一三及び一四記載の各土地について、真正な登記名義の回復を原因として一審原告名義で所有権移転登記を経由した。
 ⑥ 一審被告は、昭和六三年ないし平成元年ころ、別紙財産目録第一の三三及び三四記載の各土地を購入し、同二年ないし同三年ころ、同目録第一の四八及び四九記載の各土地を購入し、同三年八月一日、同目録第一の二八記載の土地を分筆してその一部を売却し(同目録第一の二八記載の土地は残地である。)、同五年ころ、同目録第一の九ないし一一記載の各不動産を購入し、一審原告名義で登記を経由し、同年八月三日、不動産管理会社として丁原社を設立し、一審原・被告やその子らが取締役等に就任した。
 ⑦ 一審被告は、平成八年一二月ころ、別紙財産目録一の九ないし一一記載の各不動産に香川銀行の根抵当権(極度額金一億円)を設定し、金八三〇〇万円を借り入れていたところ、同一一年一二月三日、同銀行の申立てに基づき競売開始決定がなされ、第三者に競落されたが、上記根抵当権の被担保債権残高は、同九年一一月一三日の時点で金七三〇〇万円、同一一年一〇月二六日の時点で金五二〇〇万円であった。
 ⑧ 平成九年三月一七日、丁原社名義の郵便貯金九五〇万円、丙川社名義の郵便貯金二〇〇万円が全額払い戻された。
 ⑨ 一審被告は、平成九年五月二〇日ころ、岡山市《番地略》所在の土地建物(丁原社名義)を代金一億五〇〇〇万円で売却し、同年七月四日、その内金一億二一〇〇万四三三八円を全信連への返済に充てた。
 ⑩ 平成九年一一月の時点において、一審原・被告及び丙川社名義の不動産としては、別紙財産目録第一記載の各不動産が存していたところ、一審被告は、平成一〇年二月二五日ころ、同目録第一の一及び二記載の各土地の登記名義を丁原社に移転し、同年五月二五日ころ、同目録第一の一六及び一七記載の各土地をトヨタ部品岡山共販株式会社に売却し、同月二九日、その旨の移転登記を経由し、同一二年三月一〇日、同目録第一の三〇及び三八記載の各土地の一部を分筆し、代金四二〇〇万八五二〇円で国に売却した。
 ⑪ 一審原・被告は、平成九年一一月の時点で、その名義又は子の名義で別紙財産目録第二の一ないし七記載の各預貯金(ただし、同目録第二の五及び六記載の一審原告名義の貯金の同年八月一八日時点での残高は金一七二四万四一三七円である。)を有し、また、一審被告は、同目録第三記載の各株式を保有していた。
 ⑫ また、以上の他に、一審原・被告の夫婦共同財産に属する財産としては、一審原告名義のおかやま信用金庫に対する出資金債権(一〇一万円)及び野村ホールディングス株式会社の株式一〇〇〇株、本件婚姻が完全に破綻する以前に開設された一審原告又はその子ら名義の郵便貯金合計金二三六〇万円が存するところ、この内郵便貯金は一審原告によって既に払い戻されている。
 以上のとおり認められる。一審被告は、別紙財産目録第一の一二ないし一五、二一ないし二三、二五ないし三一、三三ないし三六及び三八ないし四九の各不動産並びに同目録第三記載の各株式は、一審被告がその母親名義の土地・建物の買収代金や株式取引による利益等によって取得した固有財産である旨主張するが、一審被告の母親からの借入金は一審原・被告が共同して返済しており、また、一審被告の株式取引の実体も判然としないことを考慮すると、上記主張を採用することはできない。
 (2) そして、先に認定したとおり、一審原告は、平成九年三月中旬ころから同月下旬ころまで一審被告と別居し、一旦一審被告宅に戻った後、同年一一月一三日から再び別居生活(本件別居)をするようになり、これが現在まで継続していることに徴すると、本件婚姻は同年一一月の時点で完全に破綻したものと認められ、この時点における夫婦共同財産が財産分与の対象となると解される。また、丙川社は、一審原・被告が営んできた自動車販売部門を独立させるために設立され、丁原社は、一審原・被告が所有するマンションの管理会社として設立されたものであり、いずれも一審原・被告を中心とする同族会社であって、一審原・被告がその経営に従事していたことに徴すると、上記各会社名義の財産も財産分与の対象として考慮するのが相当である。
 以上の見地によれは、すでに取り壊された別紙財産目録第一の二二及び二三記載の各不動産を除くその余の不動産、同目録第二の一ないし七記載の預貯金(ただし、同目録第二の五及び六記載の一審原告名義の貯金については金一七二四万四一三七円)、同目録第三の一ないし一四記載の各株式、一審原告名義のおかやま信用金庫に対する金一〇一万円の出資金債権及び野村ホールディングス株式会社の株式一〇〇〇株、一審原告又はその子らの名義の郵便貯金合計金二三六〇万円を財産分与額算定の基礎財産とするのが相当である。
 これに対し、一審原告は、別紙財産目録第二の八記載の丙川社名義の郵便貯金二〇〇万円、同目録第二の九記載の丁原社名義の郵便貯金九五〇万円及び同目録第二の一〇記載の上記(1)⑨の売買代金残金二八八九万五六六二円も財産分与額算定の基礎財産とすべきである旨主張するが、上記(1)⑧で認定したとおり、上記各預金は本件婚姻が完全に破綻する以前の平成九年三月一七日に全額引き出されている上、一審被告の事業活動等に照らし、上記各金員が同年一一月の時点までそのまま残存していたとも考え難いことなどを考慮すると、これらを財産分与額算定の基礎財産とすることは相当ではない。次に、一審原告は、野村ホールディングス株式会社の株式は一審被告から贈与されたものであって、一審原告の固有財産である旨主張するが、上記株式が本件婚姻中に取得されたものであり、その名義如何は便宜的なものと解されることに徴すると、上記主張を採用することはできない。
 また、一審被告は、別紙財産目録第一の一六及び一七記載の各不動産は平成一〇年五月二五臼に売却され、同目録第一の三〇及び三八記載の各不動産は同一二年三月に売却され、同目録第一の九ないし一一記載の各不動産は同一一年一二月三日に競売開始決定がなされて既に競落されているから、財産分与額算定の基礎財産から除外すべきである旨主張するが、上記のとおり財産分与対象財産の確定時は同九年一一月とするのが相当であり、上記各売却等はいずれもその後になされたものであるから、上記各不動産は同九年一一月の時点で現存するものとして財産分与額算定の基礎財産として考慮するのが相当である。次に、一審被告は、別紙財産目録第三の一〇記載の吉富製薬及び同一一記載の富山化学工業の株式は、同九年三月二三日の時点で売却されており、存在しなかったとも主張するが、甲五号証によれば、同月三一日の時点で一審被告がなおこれらの株式を保有していたことが認められるから、上記主張を採用することはできない。
 (3) そこで、財産分与額算定の基礎財産の評価額について検討する。
 ① 別紙財産目録第一記載の各不動産について
 《証拠略》によれば、別紙財産目録第一記載の各不動産については、同目録第一の一ないし四記載の各不動産が合計金一億二六九五万円(同目録第一の一及び二記載の各土地・金五四〇〇万円、同目録第一の三及び四記載の建物・金七二九五万円)、同目録第一の五ないし八記載の各不動産が合計金一八三〇万円(同目録第一の五ないし七記載の各土地・金一七二〇万円、同目録第一の八記載の建物・一一〇万円)、同目録第一の九ないし一一記載の各不動産が〇円(上記鑑定の結果によれば、上記各不動産は合計金五三〇〇万円と評価されているが、(1)⑦で認定したとおり、上記各不動産には根抵当権が設定されており、平成九年一一月一三日の時点で金七三〇〇万円の被担保債権が残存していたことに徴すると、実質的な資産価値は存しなかったものと認められる。)、同目録第一の一二ないし一五記載の各不動産が合計金三四八〇万円(同目録第一の一二ないし一四記載の各土地・三三八〇万円、同目録第一の一五記載の建物・一〇〇万円)、同目録第一の一六ないし一八記載の各不動産が合計金六一八〇万円(同目録第一の一六及び一七記載の各土地・金五八八〇万円、同目録第一の一八記載の建物・金三〇〇万円)、同目録第一の一九及び二〇記載の各不動産が合計金一四九二万五〇〇〇円、同目録第一の二一及び二四記載の各不動産が合計金五六〇〇万円(同目録第一の二一記載の土地・四五六〇万円、同目録第一の二四記載の建物・金一〇四〇万円)、同目録第一の二五及び二六記載の各土地が合計金一一九〇万円、同目録第一の二七及び二八記載の各土地が合計金一二四〇万円、同目録第一の二九ないし三二記載の各不動産が合計金九六〇〇万円(同目録第一の二九ないし三一記載の各土地・七五六〇万円、同目録第一の三二記載の建物・金二〇四〇万円)、同目録第一の三三及び三四記載の各土地が合計金一六一〇万円、同目録第一の三五ないし三七記載の各不動産が合計金三二〇〇万円(同目録第一の三五及び三六記載の各土地・三一七六万円、同目録第一の三七記載の建物・金二四万円)、同目録第一の三八ないし四七記載の各土地が合計金三七一〇万円(同目録第一の三八ないし四四記載の各土地・三二八〇万円、同目録第一の四五ないし四七記載の各土地・金四三〇万円)、同目録第一の四八記載の土地が金八六〇万円、同目録第一の四九記載の土地が金二六八〇万円、同目録第一の五〇及び五一記載の各土地が合計金九三〇万円、同目録第一の五二ないし七五記載の各土地が合計金一七七〇万円(同目録第一の五二ないし七一記載の各土地・金一〇四〇万円、同目録第一の七二記載の土地・金二九〇万円、同目録第一の七三ないし七五記載の各土地・金四四〇万円)とするのが相当である(なお、同目録第一の一ないし四記載の各不動産並びに同目録第一の一九及び二〇記載の各不動産の評価額については、乙七五、八七号証及び当審における鑑定の結果が存するところ、そのいずれもが相応の根拠を有していることに鑑み、当事者間の公平の見地から各評価額の平均値をもって評価額としたものである。)。
 これに対し、一審被告は、別紙財産目録第一の二一記載の土地の評価額は、当該土地上に存する老朽化した寄宿舎、事務所の取り壊し費用を勘案すると金三〇〇〇万円程度になり、同目録第一の二九ないし三一記載の各土地は、その上に存する建物の解体費用として金三一〇〇万円が必要であることに徴すると、その評価額はせいぜい金六〇〇〇万円程度のものである旨主張するが、いずれも客観的な裏付けを欠いており、十分な根拠を有しているとは解されないから、上記主張を採用することはできない。
 以上によれば、別紙財産目録第一記載の各不動産の評価額は、合計金五億八〇六七万五〇〇〇円となる。
 ② 別紙財産目録第二記載の各預貯金について
 別紙財産目録第二の一ないし七記載の各預貯金の価格は、同目録第二の五及び六記載の貯金額を金一七二四万四一三七円とするほかは、同目録記載の金額によるのが相当であるから、結局、合計金八七二四万四一三七円となる。
 ③ 別紙財産目録第三記載の各株式について
 別紙財産目録第三記載の各株式の価格については、一審原告の主張する平成九年三月二一日の時点における株価(合計金四八一二万円)と一審被告の主張する同一四年五月七日の時点における株価(合計金一三〇九万六〇〇〇円)とを比較すると、後者の時点で各株式の株価が相当大幅に下落していることは明らかでおり、株価が日々大きく変動するものであって、資産としての確実性を有しないことなどを考慮すると、上記両時点の平均値をもって評価額とするのが相当であり、これによれば、同目録第三記載の株式の評価額は合計金三〇六〇万八〇〇〇円となる。
 ④ その他の財産の評価額について
 一審原告名義のおかやま信用金庫に対する出資金債権(一〇一万円)及び一審原告又はその子ら名義の郵便貯金合計金二三六〇万円は、その金額で評価し、野村ホールディングス株式会社の株式一〇〇〇株については、一審被告が合計金二〇〇万円(平成一五年一〇月ころの株価)、一審原告が合計金一三〇万円(平成九年一一月一三日の終値)をもって評価額とすべきである旨主張しているところ、先に③で説示した見地によれば、両時点の平均値である金一六五万円をもって評価額とするのが相当である。
 ⑤ 以上によれば、財産分与算定の基礎財産の評価額は、合計金七億二四七八万七一三七円となる。
 (4) 次に、財産分与額を算定するに際し、控除すべき項目について検討する。
 まず、一審被告は、別紙財産目録第一の二一ないし二三記載の各不動産(実質的には同目録第一の二一の不動産のみ)には極度額金一億二〇〇〇万円の根抵当権が設定されており、極度額の範囲内で一審被告が融資を受けることが当然に予定されているのであるから、被担保債権残額の如何を問わず相当額の減額がなされるべきである旨主張するが、根抵当権は被担保債権が存しなくても存続し得るものであり、一審被告において、本件別居当時の上記根抵当権の被担保債権残高を明らかにする証拠を何ら提出していないことなどを考慮すると、上記各不動産の評価額を減額すべき事情は存しないというべきである。
 次に、一審被告は、一審被告や丙川社は一審原告が行った脱税の結果、市・県民税、法人税等合計金六四五一万五二九九円を納付し、これに加えて重加算税、過少申告加算税、延滞税をも納付することを考慮すると、財産分与額の算定に当たって、総額一億円以上を控除すべきである旨主張しているのでこの点について検討する。まず、《証拠略》によれば、丙川社は、平成三年八月一日から同一〇年七月三一日までの事業税・県民税として合計金一五二九万五七〇〇円、市民税として合計金六三〇万七一〇〇円(以上合計二一六〇万二八〇〇円)を修正申告していること、一審被告は、申告所得税に関する延滞税金三九万八五〇〇円、重加算税合計金一六〇万四〇〇〇円を、丙川社は、法人税に関する重加算税として合計金一一三五万三〇〇〇円(以上合計金一三三五万五五〇〇円)を課されていることが認められ、重加算税が申告義務及び徴収納付義務が適正に履行されない場合に課される加算税(附帯税)の一種であり、その金額は計算の基礎となる税額の三五ないし四〇パーセントとされており(国税通則法六八条一ないし三項参照)、重加算税算定の基礎となった税額は金三七〇〇万円程であったと解されることなどに徴すると、財産分与額の算定に当たっては、金七二〇〇万円(≒金二一六〇万二八〇〇円+金一三三五万五五〇〇円+金三七〇〇万円)程度を控除するのが相当である。一審被告は、《証拠略》をも根拠に金一億円を超える控除をすべきである旨主張するが、乙三〇号証を除くその余の上記各書証が客観性に乏しいことに照らし、上記主張を直ちに採用することはできない。
 更に、一審被告は、丙川社は国民生活金融公庫に合計金一六九八万円、おかやま信用金庫に金六二四万円、合計金二三二二万円の負債を、一審被告自身は、戊田一夫に金三〇〇〇万円、甲田二夫に金三〇〇〇万円、乙野三夫に一〇〇〇万円、合計金七〇〇〇万円の負債を負っているとも主張するが、これらの負債が平成九年一一月以前に発生したものとは解されないから、上記主張を採用することはできない。
 (5) 以上の検討結果によれば、本件における財産分与額は、上記(3)の財産分与算定の基礎財産の評価額合計金七億二四七八万七一三七円から上記(4)の金七二〇〇万円を控除した金六億五二七八万七一三七円を基礎として算出するのが相当であり、先に認定したとおり、一審原告が家事や四名の子の育児に従事しながら、一審被告の事業に協力し続け、資産形成に大きく貢献したことに徴すると、一審原告の寄与率は五割と解され、一審原告は財産分与として金三億二六三九万三五六八円(一円未満切り捨て)相当の財産を取得するのが相当である。
 (6) そこで、一審原告が分与を受けるべき財産について検討する。
 まず、一審原告又はその子ら名義の郵便貯金合計金二三六〇万円は、一審原告が既に払戻を受けて取得しているものであるから、これを上記財産分与額から控除した上、一審原告は、別紙財産目録第一記録の各不動産の内、一審原告名義の同目録第一の五ないし八(合計金一八三〇万円)、二五及び二六(合計金一一九〇万円)並びに三五及び三六(合計金三一七六万円)記載の各不動産、野村ホールディングス株式会社の株式一〇〇〇株(金一六五万円)をそのまま保持するものとし、一審原・被告の共有名義の同目録第一の五〇及び五一記載の各土地(合計金九三〇万円)については一審原告の共有持分三分の二をそのまま保持し、一審被告の共有持分三分の一の分与を受けるものとし(以上合計金九六五一万円)、更に、残額二億二九八八万三五六八円相当分については、一審被告名義の財産中、別紙財産目録第一の二七及び二八(合計金一二四〇万円)、三三及び三四(合計金一六一〇万円)、三七(金二四万円)、四八(金八六〇万円)及び四九(金二六八〇万円)の各不動産の分与を受け(合計金六四一四万円)、残金一億六五七四万三五六八円分については、現金によって分与を受けるとするのが相当である。
 また、一審原告名義のその余の財産(別紙財産目録第一の一三、一四、五六、五八及び六五記載の各不動産並びにおかやま信用金庫に対する金一〇一万円の出資金債権〔顧客番号《略》、会員番号《略》〕)については、一審被告が取得すべきことは当然である。

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