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1 財産分与というと、清算的財産分与を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、財産分与には、慰謝料的な要素、扶養的な要素が含まれると考えられています。

  教科書とは異なり、実務感覚からすると、慰謝料は、現金でもらうよりも不動産で欲しいという要望に応えるのが慰謝料的財産分与といえるでしょう。他方、扶養的財産分与は、例えば20歳から50年間にわたり夫婦を続けていたのにいきなり離婚といわれても、もう稼働能力もありません。こうした場合の修正要素と考えてもらうと良いと思います。

 しかしながら、財産分与法理というのは、何故深化していかないのでしょうか。判例タイムズで公刊されている財産分与関係の論文に目を通しましたが、やはり男性にローンを支払わせるときに、妻にどのように居住を認めるか、といった角度から論じられているものが多いと考えられました。

 以前、名古屋ブレイブハート法律事務所のブログでもご紹介したように、財産分与はプラスを分ける制度でマイナスを分けた裁判例も東京地裁平成10年で西岡裁判官による判決があります。

 しかしながら、西岡裁判官は、いわゆる司法エリートという奴で、その後家裁はもともと左遷どころですから、時の政権に大変嫌われた人や問題児が集められるところとされています。

 したがって、私も学生時代、西岡判事の裁判例を並べたことがありましたが、もう10数年も前のものが今さらになっても取り上げられるというほど、理論的深化がないのだろうと思います。

 とある産経新聞では売国奴、朝日新聞では英雄という裁判官に会いましたが、もはや疲れ切っているという印象を受けました。まともに訴訟指揮をする気もなく目が死んでいました。

 なぜか、中央大学教授に転じた加藤新太郎元判事の方がいきいきとした講演をされているのではなぜだろうと考えてしまうものです。

 とはいうものの、エリートの西岡判事の説示は、その後、それを上回る「まともな」判決が出なかったこともあり、今でも参照する価値があるものです。

 例えば、財産分与部分についてはこのように判示しており、清算的財産分与だけがすべてではないことが分かります。

 「原告と被告は、夫婦の関係が破綻していることを争っておらず(第六回弁論準備手続調査参照)、前一記のとおり、別居期間が四年以上に達していることからすると、原告と被告の夫婦関係は既に破綻しているものと認めるのが相当である。次に財産分与に関しては、当事者双方は慰謝料的要素の考慮を求めていないし(なお、離婚理由に関する当事者双方の主張は、いずれも相手方の性格行動傾向を非難するものであり、原告及び被告本人の供述や弁論の全趣旨に照らしても、原、被告の一方のみに離婚の帰責事由があるとは認められない。)、扶養的要素についても、当事者双方とも現在稼働しており、従前の就労状況や現在の生活の実情等を考慮すると、扶養を要するまでの状況にあるとは認められないので、いずれの要素も考慮しないこととする。
 そこで、本件においては、原、被告が婚姻期間中に形成した財産あるいは債務の清算という観点から財産分与の内容を判断することにする。そして、清算的財産分与の割合については、夫婦双方の財産形成に対する寄与の程度によるところ、特段の事情のない限り、寄与の程度は平等と解すべきである」

 これをみると、一応、慰謝料的要素は扶養的要素について検討していることが分かります。しかし、扶養的要素については、現在稼働しているといった事情から考慮しないと結論しています。

 西岡判事の説示でやはり注目されたのが債務を分けたということです。主流派は否定説が通説ですが、裁判所が内部的な負担割合を定めることは、紛争の根本的解決につながるもので、ゴネ得などをなくす理論的なものです。しかし、現況は、金融機関に対抗できないという理由で否定説が主流になっています。しかし、相続でも、債務の分割をするのだから、財産分与でできないとする理論的根拠はないように思われます。

 「思うに、債務についても夫婦共同生活の中で生じたものについては、財産分与に当たりその債務発生に対する寄与の程度(受けた利益の程度)に応じてこれを負担させることかできるというべきてあり、その負担割合については、財産形成に対する寄与の場合と同様、特段の事情のない限り、平等と解すべきてある。そして、右借入金は、本件マンションの購入代金の支払いのほか、○○ホテル三〇三号室、△△ホテル六〇八号室及びゴルフ会員権の購入資金として充てられたというのであり、これらの財産の購入に当たっては、原告が主導的役割を果たしたことは窺えるが、原、 被告双方の供述及び弁論の全趣旨によれば、これらは夫婦共同生活における節税あるいは利殖の目的によるものと推認でき、右ホテル及ゴルフ会員権の分割に当たって、後記のとおり、原、被告双方が平等に取得することを合意しているといった事情も考慮すると、必ずしもその負担割合を動かすほどの特段の事情までは認められない。
 そうであるとすれば、被告は、右債務残額につき、平成一〇年一二月当時の債務残額一五四〇万三二八四円と四二六万九七〇八円の二口の半 (九八三万六四九六円)を負担すべきである。」

 この家族は、住宅ローンや収益物件も持っていましたが、すべて通算しています。

 そして「実際の財産の分与(清算)に当たっては、本件マンションは、原告と長男が居住しており、しかも原告を債務者とする○○信用保証株式会社の債権額あるいは極度額合計三八〇〇万円余りの(根)抵当権が設定されていること(甲一)などを考慮すると、原告に分与するのが相当である。また、別紙財産目録二ないし四記載の財産については、原、被告双方の合意に従い(なお、原、被告の分与に関する合意につき第六回弁論準備手続調書参照)、○○ホテル三〇三号室及び○○カントリークラブ会員権は被告に、△△ホテル六〇八号室及び△△カントリークラブゴルフ会員権は原告に分与することとする。次に、同目録五記載の生命保険返戻金については、最終的に被告の取得額が不足することや原告が和解案としてではあるが被告への分与の提案をしていることも考慮して、その全てを被告に分与する。そして、同目録六記載の預金については、それぞれの名義人に分与し、さらに別紙債務目録記載の債務については全額を債務の名義人である原告に負担させるのが相当と解する。この結果、現実の取得額は、別紙取得財産一覧表のとおり、原告が七一〇万三一〇五円、被告が四三〇万三一二四円となる。
 そうすると、別紙財産目録一ないし六記載の財産の清算に当たっては、右のような実際の財産の分与の方法を前提とすると、原告が被告に三九九万九〇〇〇円程度(七一〇万三一〇五円-三一〇万三一一四円=三九九万九〇〇〇円、但し、千円未満は切り捨て)の清算金を支払う必要があるということになる。
 そして、原告はこれとは別枠で前記退職金の清算分一八八万円の支払義務も負うと解されるから、結局原告が被告に支払うべき清算金は、五八七万九〇〇〇円となる。」と判決しています。

 最近は、オーバーローン財産について、財産分与から除外するべきとの議論があります。思うに、財産分与はプラスを分けるための精度であり、西岡判事がいうマイナスの考慮はそれが通算でプラスが残るという限度で考慮することができると解される。もっとも、通算した結果、マイナスになる場合はそもそもプラスがないのであるから財産分与請求権が発生しないと解するのが相当であると考えられる。而して、オーバーローン財産が財産分与の対象として除外されるというのは通算するべき財産がない場合や通算してもそれが微弱である場合に限られると解するのが相当である。
たしかに、住宅ローンのオーバーローンについては、資産価値ゼロと評価するべきようにいわれているが、しかしながら、不動産の価値はゼロでも負債は厳然と存在している。この故に、不動産をプラスと評価できなくても、負債を考慮しないと解する余地はないように思われる。

 近時、通算するかしないかという点で議論になったが、財産分与は本質的非訟手続であるので、だからといってどうという論理的構成はない。しかし、一定の準則を示す必要があるだろう。特に、男性側が3000万円の住宅ローンを持っているとき、男性側に預金300万円、財形200万円があるとき、相手方に250万円を交付することが公平に資するとまでは理論的に断じるということはできないものと思料される。

 やはり、まずはプラスとマイナスの総額を通算して、その後マイナスについて分担できるかという理論的な流れを展開するのが相当であると思料されると考える。

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