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HOME > 離婚時のお金に関すること > 生活費 > 大学などの学費について養育費として考慮不相当とされた事例

算定表は公立学校の教育費を前提としています。したがって私立学校の教育費には足りません。そこで、算定表で織り込み済みとになっているところをオーバーフローする部分について、養育費や婚姻費用に加算する必要はないのでしょうか。具体的な加算額については、学費の不足額を義務者と権利者の基礎収入に応じて按分割合して計算することが考えられます。ただ、医学部など私立学校の学費が極めて高額な場合、義務者と権利者との負担割合を調整する必要があるとも考えられています。具体的には、義務者負担が過大とならないようにするため、婚姻費用額を決めるにあたり私学学費の不足額を家族で応分に分担することで私学学費分担後の生活費が権利者・義務者でバランスのとれるように調整することになります。

東京家裁平成27年8月13日の婚姻費用の判断を紹介します。

長男と長女は、いずれも21歳と19歳であるものの、これを未成熟子と判断した。

ただし、その学費についての判断が注目されます。

教育トレンドは東京から始まりますが現在は高等教育費は本人負担が主流であり親が負担するというのは常識とまではいえなくなってきています。
もちろんこれは東京での話しであり、名古屋や大阪まで及ぶものではないかとは思います。

もっとも、父親の進学の承諾は「奨学金の貸与」を前提としたものであることが指摘されています。このように奨学金というシステムが良いか悪いかはさておき、奨学金を借りる学生が多い昨今、これを養育費考慮の基礎に入れないのは不相当のように思われていました。そして、奨学金の額を問題にしています。例えば長男は大学への学校納付金はすべて奨学金でまかなえました。また長女についても9割まかなうことができました。このような場合に例えば、父と母の按分割合が10:0という場合に、私学の場合、学費が200万円として、200万円×4年×2人=1600万円を父に負担させたうえで、本人たちは奨学金をもらうというのは奨学金システムからすればおかしい、ということになるという判断と思われます。

もっとも、本件は、20歳を超える微妙な年齢のこどもにつき、奨学金システムがあるから婚姻費用に織り込み済みの33万3844円の教育費を超える部分を自己負担とする理論を示したものではありません。つまり裁判例は、親の収入状況や扶養家族の有無、奨学金、アルバイト収入を総合判断したものであるとみられます。

しかし、注目されるのは奨学金について、裁判所は、これによって学費がまかなわれているのは事実であり、基本的に長男及び長女が、将来、奨学金の返済という形で負担するものであって、当事者双方が婚姻費用で分担するものではないのであるから、奨学金の貸与の事実が、婚姻費用の分担義務を軽減させる一事情になると正面から認めていることが注目されます。

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