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離婚調停又は離婚訴訟をしている夫婦間において、婚姻費用が支払われていないとか、その金額に争いがあるということはよくあることであります。

婚姻費用については、暫定的な金額を決めたり、財産分与での清算を予定して決められるということが、婚姻費用分担審判でも増えてきています。

人事訴訟事件では、まれに離婚と同時に附帯処分として婚姻費用の請求をしている訴状があるが、婚姻費用の請求は、離婚訴訟に附帯することができない(人訴32条)。

したがって、安易に財産分与で解決すればよいという調停委員や裁判官の甘い言葉に騙されない方が良いと思います。実際、人訴で婚姻費用の未払いについて調整をするということは多くありません。

たしかに最判昭和53年11月14日民集32巻8号1529号は、婚姻費用の清算も認めていますが、これは「やってもいい」という判例で「やらなくてはいけない」という判例ではありません。
婚姻費用はキャッシュフロー、財産分与はストックが中心の話しになりますが、裁判所は、最終的には、不当利得のように公平を図る最後の法的立論を財産分与に求めているようです。

離婚裁判時において、婚姻費用が審判で確定しておらず、かつ、未払いの場合は、最判昭和53年11月14日民集32巻8号1529号のように、財産分与の事情として考慮することができるものとされています。

未払い婚姻費用を財産分与の中で考慮できるかですが、当然にはできないものと考えられます。つまり、キャッシュフローがストックとなり、資産形成が行われ、正当に婚姻費用を支払っていた場合に形成されたはずの財産を超過して、婚姻費用の支払義務者が一定の財産を形成した場合、その超過形成部分については、清算的要素の中で考慮されることができます。

したがって、あくまでも、未払婚姻費用の考慮は、清算的財産分与の一態様という側面があるものと考えられます。結果的に、請求される側の資産がゼロであった場合は財産分与は受けられないということになりそうです。また、未払婚姻費用の考慮はどの程度なされるのかという程度であって、「あまり明確な判断事例」があるわけではありません。したがって、最近は有責配偶者の場合は妻分の婚姻費用の排斥があまり行われなくなっています。しかし、通常の婚姻費用分担の審判と同様の手法で算定された金額をすべて財産分与額に上乗せする必要があるかどうかは別問題のように思われます。そもそも、離婚時点で請求される側が、資力に乏しく収入が少ないといって、請求していないことを考慮すると、必ずしも100パーセントを上乗せする必要はないとも解されています。

簡易迅速にとらわれず、婚姻費用が審判に移行した場合は、弁護士に相談されることをおすすめいたします。やはり婚姻費用の問題は多少面倒でも、家事審判の申立をして、離婚訴訟前に解決しておくべきと解されるというのが、人訴法的解釈です。したがって、家事事件手続法的には、人訴でやってといわれ、人訴からは家事法でやって、といわれて両すくみになって、損をするのは、支払う側です。

そのようなことになることをなるべく防止するべく、婚姻費用分担調停・審判も名古屋の離婚専門弁護士へのご相談をおすすめいたします。

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