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特別児童手当は、特別児童扶養手当等に支給に関する法律につき監護親に支給されるものです。

そこで婚姻費用分担審判の加算調整の対象になるかが議論された東京高判平成21年4月21日家月62巻6号69頁は、「民法760条の規定による婚姻から生じる費用の分担に関する処分として、その受給を受けた父又は母に対し、他方の配偶者に対する引渡しや支払いを命じることはできないものとしています。

 家事審判で審理がなされるべき事件は法律によって定められ、その定められるものは制限列挙といわれています。民事事件で処理すべき事項は家事審判の対象とすることはできないものと考えられています。もちろん調停で合意する分には可能ですが、特別児童扶養手当の返還を求める理由が不当利得返還請求権が民事上の請求権となる以上、これを家事審判事項とするのは適切ではないという事物管轄の問題ともいえます。

 本件では、特別児童扶養手当を別居中の配偶者が受給してこれをこどもを監護する他方配偶者に渡さない、かつ、婚姻費用をしはわない場合は、その月の婚姻費用を定めるにあたって、その事情を一切の事情の一つとして考慮し非監護親が受領した特別児童扶養手当相当額を支払うべき婚姻費用に加算することができないかが問題とされましたが、否定されました。

 そもそもベースラインとして、将来の婚姻費用の分担額を決める婚姻費用分担額についてこれを常に考慮しなければならない、ということにっはならないと思われます。過去の手当相当額については、別途清算すべきであるという事例(大阪家庭裁判所堺支部平成21年4月16日)がみられます。明示的にみて、不当利得返還請求権の行使とみられるからと思われます。

 この点、児童手当についても、監護親が、これを受給した非監護親に対して、その額相当額を過去分の清算については、実質的には不当利得返還請求権であるから、本決定の射程が及ぶものと解されます。この点、非監護親が手当を受給していることを事情の一つとして考慮することは妨げられないにしても、不当利得返還請求訴訟との間での関係が曖昧になり、簡易迅速の観点から、一部を婚姻費用として加算するという取扱いは審判では否定されるべきように考えられます。

東京高判平成21年4月21日家月62巻6号69頁

「ところで,特別児童扶養手当は,特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和39年法律第134号)の規定に基づき,同法所定の障害児を監護するその父又は母等に対して支給される公的扶助としての国の手当であるが(同法3条1項,2項参照),受給資格の認定を受け,所定の手続の下に同手当の支給を受けた者は,障害児の生活の向上に寄与するために支給されるものであるとの趣旨に従って用いる義務を負うものの(同法3条5項),これを保管費消することができるとともに,他方の配偶者が同手当の支給を受けた父又は母に対しその引渡しや支払を当然に請求することができるとは解されないから,民法760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担に関する処分(家事審判法9条1項乙類3号)として,その受給を受けた父又は母に対し,他方の配偶者に対する引渡しや支払を命ずることはできないものと解される。
この点について,相手方は,特別児童扶養手当も,子の扶養を目的とするものであり,婚姻費用には子の養育費分が含まれるのであるから,返還又は支払の義務の有無は,婚姻費用分担申立事件における審判事項になり得るものであり,かつ,本件においては,同手当の受給を受けた父である抗告人がCの監護をせず,相手方がその監護に当たっている以上,抗告人は,相手方との関係においては法律上の原因なく同手当を利得していることになるから,相手方は,抗告人に対し,不当利得返還請求権に基づき,その引渡し又は支払を請求することができる旨主張する。
たしかに,一件記録によれば,相手方は,平成20年×月末ころから抗告人と別居し,以後Cを監護養育していることが認められるが,抗告人がCの監護養育について何らかの関与をしていることをうかがわせる資料は見出されないから,実質的には抗告人がその受給した特別児童扶養手当を保持費消する利益も理由もなく,また,同手当の趣旨にかんがみれば,抗告人がCの監護以外の目的に同手当を用いることは本来許されないものである。
 したがって,社会通念上,また,道義上も,抗告人からCを監護している相手方に同手当と同額の金員が支払われるべきである。

 しかし,家庭裁判所は,婚姻費用分担の家事調停手続において婚姻費用の分担に係る乙類事項だけでなく一般に家庭に関する紛争事項として抗告人と相手方間で上記手当と同額の金員を支払うことの合意が成立した場合にこの部分を含めて上記調停を成立させることはできるが(家事審判法17条,21条),調停の不成立による審判移行後の家事審判手続において,抗告人に対し相手方ヘの同手当の返還又は支払を命じる審判をすることは家事審判法上困難であるというほかない。なぜならば,審判に移行するのは,婚姻費用の分担に係る乙類審判事項の申立てだけに限られるからである。

 なお,本件のような特別児童扶養手当と同額の金員の返還又は支払を求める申立部分(原審記録中の申立ての趣旨参照)については,原則として,移行後の審判の主文において格別の応答をすべき必要はないと解するのが相当であるから,当審主文においても同様とする。
抗告人は,抗告理由として,原審判が婚姻費用の分担額として毎月7万円の支払を命じた部分につき,抗告人と相手方とは,その婚姻生活に関し実質的な話合いをしたことはなく,両人の意見の対立や紛争が顕在化することもなく,特段の事由がなかったにもかかわらず,相手方は,突然,強固な離婚意思を示し,一方的に抗告人と別居し,Cを連れて実家に戻り,人工妊娠中絶を強行して本件婚姻関係を完全に破綻させ,実質的に離婚が成立していたのであるから,抗告人が婚姻費用を分担する義務はない旨主張する。
婚姻費用の分担額を算定するについては,夫婦が別居に至った原因が権利者側又は義務者側のいずれにあるか,その責任の程度や生活状況に照らし,相応の額の調整をする余地がまったくないとはいえない。
検討するに,一件記録によれば,抗告人と相手方との婚姻同居期間は,約1か月程度であり,相手方が抗告人と別居する際,抗告人と婚姻生活を続けることは困難であることや妊娠中の抗告人の子を堕胎したい旨述べるなどしたことが認められるけれども,同時に,抗告人が配慮を欠く言葉でCを呼称したり,相手方との間で生活費の分担や居宅マンションの利用方法をめぐって意見が一致しない状況にあったりしたことも認められ,これらの点を勘案すると,抗告人と相手方との別居の原因がすべて相手方にあり,又は抗告人の婚姻費用の分担額を減ずべきほどに別居についての相手方の帰責性が大きいと断ずべき事実関係があるとまではいえず,他にそのように認めるべき資料は見出されない。
以上のほか,抗告人及び相手方は,なお法律上の夫婦であり,婚姻費用の分担は,夫婦がそれぞれ負う生活保持義務の履行としてされるべきものであることに徴すれば,抗告人の上記主張を採用することはできない。

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