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不貞行為の証明ができないとき・・・

そんなときもあるかもしれません。

しかし、感情的つながりで「浮気」とすることはできないのでしょうか。

まず、最高裁の定式を確認しておきましょう。最高裁の定式は「肉体関係」です。

リーディングケースとされるのは、東京地裁平成17年11月15日です。

わかりやすくいうと、この判決では「一方配偶者の他方配偶者に対する守操請求権の保護により、婚姻共同生活の平和の維持によってもたらされる配偶者の人格的利益の保護」と一見拡大解釈の論理を示した後、肉体関係が絶対要件ではないと基礎づけています。

しかし、反対にいえば、肉体関係をもっても婚姻共同生活の平和が維持されていれば肉体関係をもったとしても違法ではない、ということになるのではないか、と思います。したがって、平成17年11月15日は、肉体関係がなくてもよいという論理を提示している点で証拠がない人には都合がよいのですが、論理構成は稚拙で他の裁判所で採用されるかはわかりません。

そのうえで
 〇夫婦共同生活の平和を乱したと認められる。
 〇被告は、肉体関係を持つに至り、原告はそのことを「認識」し離婚に至ったというのですが、激しい思い込みだったらどうなのでしょうか。認識の具体的な中身も明らかにされておらず、先例として引用したいのはやまやまですが、論理構成が稚拙であることは、あてはめでも同じだと思います。
 〇もっとも、判決は肉体関係の存在を推認させており、実際は最高裁の定式から外れておらず、上の〇2つは、無意味な説示といえそうです。もっとも、肉体関係があると認定しながら、70万円の慰謝料というのは、低きにすぎるようにも思われ、論理の妥当性、結論の妥当性、据わりの良さのいずれも欠いていると厳しい評論をしなければならない、と思います。

当事務所が関与したものでは、性交渉拒否の場合が問題となりましたが、これは被告の有責な行為ということはできないとされていますが、「被告をねぎらう態度が原告になかった」から性交渉を拒否してもよいというのでは、夫婦共同生活の平和における守操義務というのは、いったい何か、という疑問もあります。

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