離婚弁護士への相談を
ためらう理由はありません

HOME > 熟年離婚に関すること > 熟年世代の事実婚

配偶者と離別、死別した熟年世代が、再婚を考えるとき、法律婚ではなく事実婚を選ぶ傾向にあるといわれています。それは、互いの人生で、財産、家族、自分流といったものとの折り合いが難しいからともいわれています。また、相続問題を避ける意味もあるともいわれています。

熟年世代の事実婚は、パートナーシップ、一緒にいて安らげる生活、楽しめる時間を持つことが目的といえるからです。

事実婚は保護を受けますが、どのような場合でも保護されるわけではありません。

判例の歴史を紐解くと、婚姻に準ずる関係に求め、重婚的な関係と近親婚的な関係は公序良俗の視点から問題があるとして保護の限界の外延とされてきました。

しかし、その後の判例の展開は、重婚的な関係でも、婚姻関係が事実上離婚状態にある場合、事実婚を保護するように至りました。例えば、夫と妻が別居し20年以上、ほかの女性と同居しながら妻の住居の賃料や転居費用を負担しており、夫も妻も婚姻関係を修復しようと努力しなかった事例において、最高裁は婚姻関係の形骸化を認め、夫死亡による遺族年金を事実上の妻に認めています。(最判平成17年4月21日)

また、近親婚についても外延の限界がみえてきています。祖父からの強い勧めによって、叔父と姪が46年間、共同生活を営んでいた事例において、最高裁は、同居に至った経緯、周囲や地域社会の受け止め方、共同生活の実体に照らして、反倫理性が婚姻法秩序全体の維持の観点などから問題とする必要がない程度に著しく低い場合には、夫婦としての共同生活を現実に営んでいた者に遺族年金を支給すべきとしました。(最判平成19年3月8日)*1

ところが、純粋なパートナーシップには最高裁は厳しいようです。そのメルクマールは「同居」のように思います。
同居を欠く関係について、特別な親密関係にあり、一緒に旅行をしたり、仕事に協力したり、こどもがいたりしたりしたケースにおいて、一度も同居したことがなく、生計の維持も、共有財産もないということでしたが、最高裁はこれに保護を与えませんでした(最判平成16年11月18日)。*2

学者の批判はあるところですが、実務上は「同居」がポイントになる、ということを理解しておく必要があります。

この点、同居があろうとなかろうと、お互いを1対1のパートナーとして認識し、日常の生活においても精神的にも相互に協力しあう関係にあれば、事実婚として法的保護を与える見解もあります。しかし、離婚に関するニュースでもとりあげたように、フランスのPACSやベルギーの法定同居も、事実婚を保護する制度ですが、「同居」は前提としているのではないか、と考えられます。

同棲婚も含めパートナーシップは、事実婚の法理で対応することになります。しかし、裁判では、裁判官の価値観により偏見にさらされるおそれもあることも懸念されます。こうしたパートナーシップ保護や同性婚の事実婚としての保護は、当事者の行動の積み重ねによって、偏見が克服されていくように考えられます。そのように逆境から自ら切り開く道もあるのではないか、と思います。

*1
(2)ところで,民法734条1項によって婚姻が禁止される近親者間の内縁関係は,時の経過ないし事情の変化によって婚姻障害事由が消滅ないし減退することがあり得ない性質のものである。しかも,上記近親者間で婚姻が禁止されるのは,社会倫理的配慮及び優生学的配慮という公益的要請を理由とするものであるから,上記近親者間における内縁関係は,一般的に反倫理性,反公益性の大きい関係というべきである。殊に,直系血族間,二親等の傍系血族間の内縁関係は,我が国の現在の婚姻法秩序又は社会通念を前提とする限り,反倫理性,反公益性が極めて大きいと考えられるのであって,いかにその当事者が社会通念上夫婦としての共同生活を営んでいたとしても,法3条2項によって保護される配偶者には当たらないものと解される。そして,三親等の傍系血族間の内縁関係も,このような反倫理性,反公益性という観点からみれば,基本的にはこれと変わりがないものというべきである。
 (3)もっとも,我が国では,かつて,農業後継者の確保等の要請から親族間の結婚が少なからず行われていたことは公知の事実であり,前記事実関係によれば,上告人の周囲でも,前記のような地域的特性から親族間の結婚が比較的多く行われるとともに,おじと姪との間の内縁も散見されたというのであって,そのような関係が地域社会や親族内において抵抗感なく受け容れられている例も存在したことがうかがわれるのである。このような社会的,時代的背景の下に形成された三親等の傍系血族間の内縁関係については,それが形成されるに至った経緯,周囲や地域社会の受け止め方,共同生活期間の長短,子の有無,夫婦生活の安定性等に照らし,反倫理性,反公益性が婚姻法秩序維持等の観点から問題とする必要がない程度に著しく低いと認められる場合には,上記近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという法の目的を優先させるべき特段の事情があるものというべきである。したがって,このような事情が認められる場合,その内縁関係が民法により婚姻が禁止される近親者間におけるものであるという一事をもって遺族厚生年金の受給権を否定することは許されず,上記内縁関係の当事者は法3条2項にいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」に該当すると解するのが相当である。
 なお,被上告人の引用する判例(最高裁昭和59年(行ツ)第335号同60年2月14日第一小法廷判決・訟務月報31巻9号2204頁)は,事案を異にし本件に適切でない。
 (4)これを本件についてみると,前記事実関係によれば,上告人とAとの内縁関係は,Dの養育を主たる動機として形成され,媒酌人を立て,新婚旅行,親戚間の祝宴を経て,地元町長やAの職場の長もその成立を認証したというのであり,当初から反倫理的,反社会的な側面をもったものとはいい難く,親戚間では抵抗感なく承認され,地域社会やAの職場でも公然と受け容れられていたものである。また,上告人とAは,その後2人の子にも恵まれ,Aの死亡まで約42年間にわたり円満な夫婦生活を安定的に継続したというのであり,その間,上告人は,共済組合の短期給付,国民健康保険及び源泉徴収の面でAの内縁の妻として扱われていたことがうかがわれるのである。これらの事情からすれば,上記内縁関係の反倫理性,反公益性は,婚姻法秩序維持等の観点から問題とする必要がない程度に著しく低いものであったと認められる。
 そうすると,上告人とAとの内縁関係については,上記の特段の事情が認められ,上告人は,法3条2項にいう「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」に該当し,法59条1項本文により遺族厚生年金の支給を受けることができる配偶者に当たるものというべきである。

*2
①上告人と被上告人との関係は,昭和60年から平成13年に至るまでの約16年間にわたるものであり,両者の間には2人の子供が生まれ,時には,仕事の面で相互に協力をしたり,一緒に旅行をすることもあったこと,しかしながら,②上記の期間中,両者は,その住居を異にしており,共同生活をしたことは全くなく,それぞれが自己の生計を維持管理しており,共有する財産もなかったこと,③被上告人は上告人との間に2人の子供を出産したが,子供の養育の負担を免れたいとの被上告人の要望に基づく両者の事前の取決め等に従い,被上告人は2人の子供の養育には一切かかわりを持っていないこと,そして,被上告人は,出産の際には,上告人側から出産費用等として相当額の金員をその都度受領していること,④上告人と被上告人は,出産の際に婚姻の届出をし,出産後に協議離婚の届出をすることを繰り返しているが,これは,生まれてくる子供が法律上不利益を受けることがないようにとの配慮等によるものであって,昭和61年3月に両者が婚約を解消して以降,両者の間に民法所定の婚姻をする旨の意思の合致が存したことはなく,かえって,両者は意図的に婚姻を回避していること,⑤上告人と被上告人との間において,上記の関係に関し,その一方が相手方に無断で相手方以外の者と婚姻をするなどして上記の関係から離脱してはならない旨の関係存続に関する合意がされた形跡はないことが明らかである。
 以上の諸点に照らすと,上告人と被上告人との間の上記関係については,婚姻及びこれに準ずるものと同様の存続の保障を認める余地がないことはもとより,上記関係の存続に関し,上告人が被上告人に対して何らかの法的な義務を負うものと解することはできず,被上告人が上記関係の存続に関する法的な権利ないし利益を有するものとはいえない。そうすると,上告人が長年続いた被上告人との上記関係を前記のような方法で突然かつ一方的に解消し,他の女性と婚姻するに至ったことについて被上告人が不満を抱くことは理解し得ないではないが,上告人の上記行為をもって,慰謝料請求権の発生を肯認し得る不法行為と評価することはできないものというべきである。
*3
なお、同居があっても事実婚でなく婚約状態の場合の評価は厳しい場合もある。
婚姻予約をし,約9年3か月間同居していた男女の一方が,約2年1か月の別居後に関係を解消した行為について,同行為の時点までに,実質的に内縁関係が解消されていたことなどから,内縁関係解消の動機,方法等が社会通念上不当なものであったとは認められないことを理由に内縁関係の不当破棄としての不法行為が成立せず,また,婚姻予約の破棄についても正当な理由がないと認めるに足りないことを理由に,婚姻予約の不当破棄としての不法行為が成立しないと判断された事例(東京地判平成28年7月13日)

(1) 上記のとおり,控訴人と被控訴人が,平成14年6月頃から本件マンションにおいて同居を開始し,同年7月頃,婚姻予約をしたこと,平成23年9月頃まで同居が継続したことは,当事者間に争いがない。そして,控訴人は,これらをもって,控訴人と被控訴人の間で内縁関係が成立し,これを被控訴人が破棄したものと主張し,被控訴人も内縁関係の成立と破棄自体は,特に争うことなく,これを前提として主張している。
    しかし,婚姻予約と内縁とは区別して考えるべきであり,婚姻予約をし,同居(同棲)していたからといって,内縁が常に成立するわけではない。確かに,大審院は,いわゆる内縁を「将来ニ於テ適法ナル婚姻ヲ為スベキコトヲ目的トスル契約」すなわち婚姻の予約であるとしていたが(最高裁昭和33年4月11日判決(甲12)の判示参照),現代においては,内縁(事実婚)とは,婚姻の社会的実体,すなわち,当事者間に社会観念上夫婦共同生活と認められるような関係を成立させようとする合意(主観的要件)があり,社会観念上夫婦共同生活と認められるような共同生活の事実(客観的要件)はあるが,婚姻届の出されていない男女関係を指すというべきである。そうすると,本件においては,控訴人及び被控訴人が婚姻届を提出しなかったまたはできなかった理由は特段うかがわれず,社会観念上夫婦共同生活と認められるような関係を成立させようとする合意があったものとは認め難い。
    ただし,同居期間が9年以上に及んでいること等に鑑み,当事者双方とも「内縁関係」にあった旨主張しているものと解されるから,以下では,控訴人と被控訴人は,「内縁関係」にあったものとして論ずることとするが,その実態は,上記のようなものであったことは考えておく必要がある。
  (2) 上記1の各事実によれば,控訴人と被控訴人の内縁関係は,平成25年10月21日,完全に解消されたものと認められる。
  (3) 控訴人は,正当な理由なく,一方的に内縁関係を破棄した被控訴人の行為は,控訴人に対する不法行為となる旨主張する。
    しかし,内縁関係の一方当事者が内縁関係を解消した場合,当該当事者が,内縁関係の相手方に対する関係で不法行為責任を負い,慰謝料の支払を要するのは,内縁関係を解消した動機,方法等が社会通念上不当な場合に限られると解すべきである。

 そうすると,上記のとおり,控訴人と被控訴人の間で,社会観念上夫婦共同生活と認められるような関係を成立させようとする合意があったものとは認め難いこと,平成20年頃,控訴人が被控訴人の不貞を疑い,自殺未遂の事件を起こし,救急車で搬送されるなど,控訴人と被控訴人の関係は必ずしも円満ではなかったこと,控訴人は,被控訴人の生活態度に不満を抱いて,同人に対し,「一度も一人暮らしをしたことがないから,一度苦労を味わってみろ。」などと述べたことがあり,この控訴人の発言が切っ掛けとなって,被控訴人が,本件マンションから出て,控訴人と別居したこと,別居開始後,控訴人と被控訴人は,メールで連絡を取り合い,一緒に飲みに行ったり,相手の家を訪れるなど,一定の関係を続けていたものの,控訴人は,平成25年2月25日,被控訴人に対し,「もう,俺が誰と付き合おうとも関係ないだろ?」というメールを送り,被控訴人との内縁関係を否定する趣旨の言動をしていたことが認められる。これらに加えて,控訴人と被控訴人の別居期間は,平成23年9月頃から被控訴人が内縁関係を完全に解消した平成25年10月21日まで約2年間と長期間に及んでいるところ,その間,両者が再び同居するなどの将来に向けた話合いが行われた形跡が見受けられないことに鑑みれば,控訴人と被控訴人の内縁関係は,両者が別居を開始した平成23年9月頃には,実質的に解消されていたというべきであり,被控訴人が平成25年10月21日に控訴人に対し「あんたなんか好きじゃない。」などと述べて同人との関係を絶ち,内縁関係の終了を伝えた行為は,その動機,方法等が社会通念上不当なものであったとは認められないから,不法行為を構成しないというべきである。
    控訴人は,①被控訴人との別居は,将来対等な結婚生活を送れるようにするためのいわば花嫁修業のようなものであり,別居期間も1,2年とすることが予定されていたこと,②被控訴人との別居前の同居期間は,約10年近くに及んでいるが,その間,内縁関係を解消する明確な話合いは行われていなかったこと,③控訴人と被控訴人は,別居後も一緒に飲みに行くなどの関係を継続しており,内縁関係が破棄される1,2年前まで,肉体関係も持っていたとして,別居後も控訴人と被控訴人の内縁関係は継続していた旨主張し,その旨供述する。しかし,上記①の点について,別居するまでの控訴人と被控訴人の同居期間は9年以上の長期間に及んでいたこと及び別居開始当時の控訴人及び被控訴人の年齢等に照らせば,控訴人が主張するように,被控訴人との別居が,将来の結婚生活のため同人に一時的に一人暮らしを経験させるためのものであったと見るのは不自然かつ不合理であり,むしろ,被控訴人が主張するように,控訴人の言動や同人との生活に不満を感じていた被控訴人が,控訴人を刺激しないよう,同人が別居を示唆する発言をしたのを奇貨として,別居に踏み切ったものと解するのが自然である。また,上記②及び③の点のうち,控訴人が主張している,別居後に被控訴人との間で肉体関係があったこと及び控訴人と被控訴人の間で別居期間を1,2年とすることが予定されていたことを裏付ける客観的な証拠はなく,これらの点についての控訴人の主張及び供述は,採用できない。さらに,上記のとおり,別居開始から被控訴人が控訴人に対して内縁関係の解消を告げた平成25年10月21日までの別居期間は約2年以上に及んでおり,その間,両者の間で,将来の同居に向けた話合いが行われた形跡はないこと,平成25年2月25日に控訴人が被控訴人に対して「もう,俺が誰と付き合おうとも関係ないだろ?」というメールを送り,被控訴人との内縁関係を否定する趣旨の言動をしていたことからすれば,控訴人が主張する,平成25年10月21日以前に控訴人と被控訴人の間で内縁関係を解消する話合いが行われていなかったこと,及び,別居後も控訴人と被控訴人が連絡を取り合い,一緒に飲みに行ったり,相手の家を訪れるなど,一定の付き合いを続けていたことを考慮しても,控訴人と被控訴人の内縁関係は,平成23年9月頃には実質的に解消され,平成25年10月21日時点において,実体が存在しなかったという上記結論は左右されない。
  (4) 控訴人は,被控訴人が控訴人との同居開始以降平成25年10月21日までの間に控訴人以外の男性と不貞関係を持った旨主張するが,控訴人の主張する被控訴人の不貞の事実を認めるに足りる的確な証拠はなく,上記主張は採用できない。なお,控訴人は,被控訴人の不貞行為について,原審が被控訴人の本人尋問を実施しなかったことを論難するが,被控訴人の不貞行為については,控訴人の陳述書(甲2)及び控訴人本人尋問をもってしても,それをうかがい知ることすらできなかったのであるから,相手方本人である被控訴人を尋問する必要は認められない。控訴人の上記論難は失当である。
 3 争点2(被控訴人の行為が,婚姻予約の不当破棄に当たるか)について
  (1) 婚姻予約も契約である以上,その不当破棄については,債務不履行または不法行為を構成するが,一般の契約と異なり,当事者の義務の内容は,絶対に結婚するというものではなく,結婚の成立に向けて誠実に努力するという道義的色彩の強いものであり,単にこれを解消したというだけでは責任は発生せず,飽くまで正当な理由のない破棄の場合に限り,責任を問われるものであると解される。
  (2) そこで検討するに,上記のとおり,控訴人と被控訴人の間には,平成14年7月頃,婚姻予約が成立したこと,被控訴人は,平成25年10月21日,控訴人に対し,「あんたなんか好きじゃない」などと言って以後の関係を絶つことを伝え,婚姻予約を破棄したことが認められる。
    しかし,争点1のところで検討したのと同様,被控訴人の婚姻予約の破棄には,正当な理由がないとは認めるに足りない。よって,控訴人の主張は採用できない。

離婚の無料相談申し込みへ




相談票を印刷し、ご記入いただいた上でお越しいただくと、ご相談がスムーズに進みます。

■無料相談はお気軽に
(月〜土、9時〜18時,日曜新規のみ13時~17時、土日祝日打合OK【対応は愛知、岐阜、三重のみとさせていただいております。当事務所では、それ以外の方のご依頼は、交通費や弁護士費用などについてご納得いただける方のみご依頼をお受けしております。他県の方は電話相談となりますが、30分5400円となります。】)名古屋市中区丸の内1-14-24ライオンズビル第2丸の内204、桜橋東交差点付近 TEL.052-756-3955

〒450-0002
名古屋市中村区名駅5丁目6-18
伊原ビル4F




名古屋の不動産・労務・知的財産に強い顧問弁護士・中小企業の法律サポーター


名古屋の地域一番の相続屋さんを目指す遺産分割サポーター


新規起業を応援する弁護士・ドリームゲートアドバイザー 伊藤 勇人(ドリームゲート)

家族問題の法律サポーター

不倫慰謝料法律相談所

B型肝炎被害訴訟の給付金・医療過誤相談所

ハッピーリタイヤサポーター

LGBT トラブル解決サポーター

親子の面会交流相談所